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名言・名セリフ

【逆境無頼カイジ(1~13)】声に出して言いたい名言・名セリフ!

逆境無頼カイジ Ultimate Survivor(Bet.1~13_名言 名言・名セリフ
アニメ『逆境無頼カイジ Ultimate Survivor(Bet.1~13)』の「名言・名セリフ」をまとめています。

     

     

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    Bet.01 出航

    伊藤開司

    「だから泣いてどうすんだよ。俺は、アホか、くそ」

    「墓穴。ダブルで墓穴。ダブぼけ」

    「なんだよ、こいつら。どいつもこいつもマイナスのオーラに満ちてやがんの」

    「いけねえ、俺寝ぼけてやがる。同情してどうする、今は自分が勝つことだけを考えりゃいい。勝つことだけ、あの男の言う通りだ。俺たちはまだ何をやるか知らされてない。ギャンブルを打つ者にとって金は寿命」

    「自分で決めないあのおっさんが悪いんだ、この船じゃバカは朽ちるだけ」

    「あんな所にいたら腐っちまう。俺もさっきまでそうだったから、偉そうなことは言えないが、奴ら、可能性を見ていない。気持ちが状況に押しつぶされ、わずかに残ってる勝者への道を自ら閉ざしている」

    「いいか、これから先は一人一人って考えは捨てろ。三人で一人。三人で一単位。三人は、運命共同体だ」

     

    遠藤勇次

    「違法も法だよ。俺たちはプロだからどんなことをしてでも取り立てる」

    「勝てば借金がチャラ。これは文句なく救済だ。仮に負けても、長い間借金に縛られて暮らすより1、2年規律ある暮らしをし、集中的に返済して借金から解放されたほうがどれだけマシか、そうは思わんか?」

    「お前の毎日ってのはゴミって感じだろう。無気力で自堕落で非生産的、だろ?」

    「ああいうバカがいるから、やくざは食いっぱぐれねえんだ。俺が良い人なわけねえじゃねえか」

     

    Bet.02 火蓋

    伊藤開司

    「なんで、あんなやつを。大事な勝負だと分かっていながら、俺はなぜ自分で考えなかった。なぜ自分で決めなかった、なぜ他人に、自分の行く末を委ねちまった」

     

    利根川幸雄

    「黙れ。ぶち殺すぞ、ゴミめら」

    「おまえらの質問に答えるのは容易い。だが、ここで負けた時の処遇を聞いてどうなる。そんな話を聞きたいのならいくらでもしてやる。しかし、ここにいるおまえらに話の真偽を確かめる術はない!それでも聞きたいと言うのか。おまえらはシャバでの戦いに負けに負け、今ここにいる。誰からも愛されることなく、貧窮し、うじうじと、人生の底辺を這って、這って、這いまわってるのだ!負けて行きつく先が云々より、今ここがすでに地獄の釜の底だということがまだ分からんのか!ただ、糸は垂れている、およそ半数はこの釜の底から引き上げられる。おまえらが今成すべきことは勝つこと。勝ってここから抜け出ること、心に刻め! 勝つこと、勝つことだけが全てだと。勝たなければゴミ!勝たなければ、勝たなければ、勝たなければ!」

     

    船井譲次

    「あほんだら! あんた、俺のなんや!物の5分も話さんかったのに、友達にでもなったつもりか!甘ったれが!俺はおんどれをとって食うた、ただそれだけや、くそが。騒ぐな、ゴミ虫」

     

    黒服

    「ここはおまえらが後の人生をかけて戦っている、言うならば戦場。その戦場で、後ろから撃たれたと騒ぎたてる兵士がどこにいる。おまえは今、後ろから刺された、ただそれだけの事だ」

     

    ナレーション

    「無論、これほどの痛手ではないにしろ、今までの人生の岐路でいつもその判断を他人に委ね、流されて生きてきたことに。その弱さがこの土壇場で出たことに」

     

    Bet.03 勝負

    伊藤開司

    「悪しきを切ってたら、団結はねえ」

    「3人で一単位。運命共同体と誓ったのに、その舌の根も乾かぬうちにグループの心はバラバラ。だから切らねえ。切りたくても切らねえんだ」

    「臆さない、ただ行くだけ」

    「勝ったら前へ、当たり前のことだろう」

    「つまりあんたの読み、理論は間違ってなんかいない。でも一歩狂えば、そこが盲点だ。人間は理論ってやつを一度正しいと信じ込んじまうとなかなか疑わなくなる。ましてやその理論で勝ってきた奴となれば、尚更」

     

    ナレーション

    「そう、カイジは待った。敵が自らぬかるみに足を踏みいれるのを、顔を伏して待った。この待ちこそが、カイジのファインプレー」

    「バランス理論のうちに潜むぬかるみ。一度深くハマった足は容易く抜けない。なぜなら、バランスが思考を支配を支配する。その世界観、理論、常識では手持ちカードが全てチョキなどということはあり得ない。そんなこと考えられない。もう、チョキは出ない」

    「三連続で同じ手がきたから、もう同じ手はこない。ギャンブルではこの考え方は最も危険」

    「はまり込み抜けられない崩壊への道。ギャンブルという魔性がせせら笑う」

    「理論あるがゆえに無防備。カイジ、理論を逆手にとった二連勝」

     

    Bet.04 破綻

    伊藤開司

    「この限定ジャンケン、一見運否天賦に見えるが、その本質はおそらく気付きのゲーム。そのことに気づかなければ、さっきの男みたいに、自ら奈落に堕ちることもありうる。一筋縄じゃいかない、見かけよりずうっと複雑。実は思考の勝負。このゲームは表のルールに対して、裏に潜むもう一つのルールが隠されている」

    「震えるぜ、大仕掛けに胸が震える」

    「やり直そうな。もし、首尾よく大勝してこの船を降りられたら、俺もお前らもやり直そう。今までのような淀んだくぐもった、そんなハッキリしない毎日から抜け出して、なんていうかもっと価値のある暮らし。うまく言えねえが、ともかく今までとまるで違う人生を漕ぎ出そう。今度こそ三人で力を合わせて……」

    「やり直そう、全てを」

    「耐えるんだ!目先を追うな、俺たちはいつもそれで失敗してきたんじゃないのか。今は耐えろ、そして信じるんだ。必ず反転する、これは単なる勘じゃない、チョキが減ったってことは、パーが使いやすくなったってことで、必ずここからは使われていく。逆にチョキはグーがあまりカードを減らさないから使いにくい」

    「すべては破綻した」

    「うるせえ!そんな時は、あっさり散りゃあいいんだよ!」

     

    ナレーション

    「カイジらはついに手に入れた。命運を賭けた最終戦略。その実弾、グーのカード30枚」

    「それはカイジが生まれて初めて味わう恐怖。どこまでも降下していくこの感覚」

    「破滅へと誘う、ギャンブルという魔物の触手。その粘りついた手は焼けるように熱く、幾重にも絡みつき、容易には離れない。本人は自分で考え行動しているつもりだが、実はもうすっかり魔物に操られている。古畑も安藤もこの戦略に費やした労力、金が惜しくて惜しくてたまらない。この戦略が無為に終わることなど、そんなことは許せない!あってはならぬこと」

     

    Bet.05 決死

    伊藤開司

    「もう他に道はねえ。分かってくれ、分かって、俺と死んでくれ」

    「ボケども!目を覚ますのはてめえらだ!俺たちは今、絶望的に切羽詰まってんだよ!あと46分だぞ」

    「ボンクラ!このまま30分経ったとしたらどうなる?対戦相手すらままならねえ、そんな状況で星3つから9つなんて、夢のまた夢だ!運否天賦すら成り立たねえ!しかし、今ならその運否天賦で勝ちが見える地点までたどり着けるんだ!おまえらは、今置かれてる状況が分かってない!火の手はもう足を焼いてんだよ。この状況で止めようなんて発言は寝言同然。前しかねえんだ!突っ走って、突っ走って、その先にある亀裂を飛び越えるしかねえんだ!」

    「いいかげん気付け!退路なんかもう、ねえんだよ!」

    「泣くな、勇気を出せ、二度三度なんて言わねえ、ここ一度。ここ一度だけ、勇気を、生き残るための勇気を」

    「前向きのバカならまだ可能性はあるが、後ろ向きならゼロ。言い切ってやらあ、おまえには100パーセント成功など無い!」

    「臆病!臆病!ばっかで脳まで退化してやがんのよ!そんなの生きてるなんて言わねえ、ただ心臓や肺が動いてるだけ。無駄だからさっさっと死ねや!悪いこと言わねえから、世間の迷惑考えて今すぐ死ね!船降りたらすぐによ」

    「関係ねえ、他人なんか関係ねえ。俺だ、俺なんだ!肝心なのはいつも、どんな時も、俺がやると決めてやる!ただそれだけだ。気が付いたんだ、耳を傾けるべきは、他人の御託じゃなくて、俺自身の声。信じるべきは俺の力!」

    「俺には分かるのさ、俺とおまえは買い占めなんて戦略を考え出した、同じ穴の貉。だから分かる、俺にはおまえの余分なカードが」

    「そうさ、こういうことがグループの力。1人じゃ素通りしちまう発想や定石を仲間が確認させてくれる。古畑と安藤、おまえら2人がいたから勝てたんだ」

    「こうなったら、毒を喰らわば皿までもか。……毒皿でいくか」

     

    北見

    「分からねえ、分からねえが今、イヤな予感が走った。何か、決定的な欠陥、ほつれ。全てがバラバラにほどけ散り崩壊、そんな予感が……」

     

    ナレーション

    「己が存在のリアリティ。つまり、生を!今、確かに生きているという感触。その震えを!」

     

    Bet.06 興亡

    伊藤開司

    「おまえらはもともと信頼関係なんかない。100パーセント利害だけの仲だからな。明らかな利が他に生じれば、人の心はそっちへ流れる。その機会を俺が与えてやったのさ」

    「打つべき手は打った、あとは祈るだけだ。俺たちにとって理想的な状況が出現することをな」

    「安藤、古畑。裏切るなよ。初戦に勝って星三つになったからって、勝手にカードを売ったり、美味しそうなことを吹きかける奴にフラフラついて行ったり、そんなことするなよ」

    「今は互いに半端な気持ちは命獲りになる。俺はおまえらを信じる、おまえらも俺を信じろ」

    「おそらく、不信感。拭えない疑念、疑惑。人を疑う心がここにきて、みんなの動きを止めたんだ。勝負できないのは俺たちだけじゃねえ、他の連中も成り立ってねえ。ここに至るまでの過程で、騙したり騙されたりするのを目の当たりにしてきたからな、声をかけてくるやつなんて信用できねえのさ」

    「今動いたらアウツ。自殺行為だってことが分からないのか」

     

    船井譲次

    「せっかく垂れた救いの糸を、自ら切るんか。救えぬ偽善者。せいぜい後悔せえや」

     

    ナレーション

    「だがしかし!フロアは、想像を超えた異常事態。閉塞状況に入っていた、打つ手なし!疑念疑惑の終着駅」

     

    Bet.07 喝破

    伊藤開司

    「途切れた、生き残りのための最後の糸。もうどうしていいのか、俺には……」

    「いや、これが突破口かもしれねえ。諦めるな、考えろ。何かあるはずだ、生き残る確率を増やす何か。俺たちが生き残るには……」

    「そうさ、俺たちは進むしかねえんだ」

    「留まることは死だ」

    「これまで煮え湯を飲まされ続けたそのツケを一挙に払ってもらう。残り5分、限界までいこう。俺たち3人の合計、星5つの大勝負」

     

    船井譲次

    「この限定ジャンケンは、バカが駆逐されて、潰れたやつのみが生き残れる弱肉強食のゲーム。弱者は単なるエサに過ぎひんのや」

     

    Bet.08 鉄槌

    伊藤開司

    「これでおまえは負けると分かっていても、カードを使い切るため俺と戦うしかねえ。さあ、きな!船井。文字通り、最終戦だ。おまえは俺と戦い、吐き出す。詐欺と卑劣で蓄えたその星を!」

    「当然の話さ、100%勝てる勝負に限界まで張るのは当たり前」

    「俺たちはここまで徹底的に奪い合ってきたんじゃねえか!それを言うに事欠いて、譲り合い?抜かすな!恥を知れ!悪党なら最後まで悪党でいろよ!」

    「おまえから5つ星を獲ろうと、獲れずにこのまま沈むことになろうと、どっちに転んでも同じことなんだ」

     

    船井譲次

    「無駄や、死を追うと決した者にどんな説得も無駄や」

     

    岡林

    「ただ一つ気になるのは、あんた、本当の人間関係って言ったけど、本当のって何それ?」

    「ここから引き上げてもらおうと思ったら、俺みたいに金を抱いて堕ちるか、シャバに強力なお宝でも隠していて助けざるを得ないという状況しかない。なのにおまえときたら、絆とか信頼とか訳の分からない寝ぼけたことを」

     

    ナレーション

    「カイジは感じた。古畑と安藤がとても遠くにいるような違和感」

     

    Bet.08 回生

    伊藤開司

    「貴様ら、貴様ら、貴様ら!それでも人間かあ!」

    「奴らにすれば、あの時点で俺の命などどうでもいいこと。あの涙はいっときの感傷。決意なき涙、肚の底じゃあ、もう冷酷に切る算段を始めていた」

    「ジタバタすることで開ける、そんな、活路、逆転、生還。そう、生還がある!まだ!諦めねえ、最後まで」

    「そうさ、今頃きづいたか、まぬけめ。抜けてんのは貴様なんだよ、おおあまさ。バカめ」

    「いいかげんにしろ!ゴミどもが!捨ててやる、こんな金!うんざりだ!もう!うんざりだ!うんざりだ!うんざりだ!ヘドがでる!」

    「黙れ!いったろ、捨てるって。うんざりなんだよ!損だ得だ金だ資産だ、そんな話はもう!そんな事、離せば話すほど、俺たちは浅ましく醜く這いまわってることになるんだ!この地獄の釜の底をな!それがわかんねえのか!そして、そんな姿を見て、主催者が喜ぶ。その互いに貶め合う仕組みを考えた豚野郎がほくそ笑む!俺たちが損得に振り回されれば、振り回されるほど、地道を上げれば上げるほど、結果的にそのゲス野郎の思う壺!悔しくねえのか!悔しくねえのかよお!」

     

    岡林

    「決断は結局、実利に流れる。から手では救われるわけがない。当たり前のことを」

    「友情や口約束でもらえるのは、旅先からの絵葉書や土産。あるいは、思い出というガラクタ、そんな程度のモノ。本当に肝心なものは、決して友情なんかでは譲られない利しか無いのさ。この世で本当に欲しいものや地位を手に入れようとしたら、金!金しか無い!」

     

    石田

    「こんなことが、こんな逆転が起こるなんて。こんな地の果ての穴倉みたいなところで、こんな逆転が……、諦めなければ……諦めさえしなければ……」

     

    Bet.10 使者

    伊藤開司

    「途中、途中、途中、途中、そう考えることで今の俺はやっと凌いでる。生きながらえている、覇気のない半ば眠っているような日々。……そうさ、途中だと思わなきゃやってられねえ、やってられねえ!」

    「構いませんよね?人を疑うってのはそれくらい重い。この程度のリスクは当たり前、違いますか?」

    「ふざけるなよ、戦争だろうが。疑ってるうちはまだしも、それを口にしたらその瞬間から戦争だろうが!」

    「目を覚ませ!こんな胡散臭い男の言うこと間に受けて、甘い話に浮かれるな!」

    「いいから待て。おまえにふさわしい本当のチャンスが必ずくる。まだ途中なんだよ、俺たち。あと少し待てば、必ず……!」

     

    遠藤

    「何の確証も無く、無責任なきれいごとをよく言うぜ。一体何を待つんだ?薄汚いアパート暮らしをして、貧しいバイト生活をしながら何を待つ?……冗談だろ、そういうのを無為っていうんだ、クズが。目を覚まさなきゃならねえのはおまえなんだよ」

    「もっとも仮に免責がおりても、俺たちは取り立てるがな」

    「カイジ、この手は何のためについている。これまでの人生で何かを築いた者にとっては、それを離さないため、守るためにある!だが、持たざる者がそれでは話にならない。おまえたちはその手で掴みにいかなきゃダメなんだ!……でなきゃ、道は開けない」

    「何を躊躇する。掴め!臆病に組んだ腕を解き、掴むんだ!迷うことはない!この金はおまえの未来そのものだ。俺が救いの光、星のもとへ、おまえを連れて行ってやる!ただ、そこから先、星を掴むか否かはおまえ個人の力」

     

    佐原

    「でもさあ、俺なんていうか、分かってきちゃったんだよね。俺たちみたいなプーが浮かび上がろうと思ったら、どこかで一発当てるしかない。でなきゃ、風穴なんかあかない、世間に入っていけないんだって。突破口なんだよ、これは」

     

    Bet.11 狂宴

    伊藤開司

    「言っとくぞ、ここには味方なんていねえんだよ。おっさんと俺は他人、いや、それ以上つまり敵だ!」

    「バカが、話にならねえ。おまえの決意は頭の中だけのもの。頭の中の非情さ。俺はちがう、俺は地獄を、くぐってきてる。非情の覚悟がまるで違う!……非情の覚悟がまるで違う!同じ非情でも、雲泥の差。別物、敵はおまえじゃねえ。マークすべきは俺と同じエスポワール組。船で見かけた人間が何人かいる、あの連中は要注意だ、かなり手ごわいはず……まあ例外もいるけど」

    「いや、たいして変わらない。この男の思うほど俺たちと下の連中に差はない。下の連中も俺たちも、他人がいくら飢えようが死のうが、知ったこっちゃない。99.9%人は人を救わない、救わなくてもその心は痛まないから。なら!期待などするな!他人に!自分だ!自分!自分を救うのは自分だけ!行け!誰もいかないなら、まさにチャンス」

    「謝ろうがすまなそうにしようが、とどのつまり、落とすんじゃねえか。なんだよ、それ!なら落とすなよ!やることやるけど、ごめんなさいって。なんか二重にあくどいっていうか、調子良すぎる。俺は謝らない、謝るもんか!許されようなんて、思わない!落とす!ただ、黙って落とす!」

     

    ナレーション

    「突然の意味不明の涙。溢れて止まらない。気がつけば悲しみは橋の上を溢れ覆っていた。おそらく、動物の中で唯一罪を感じる存在。押さなきゃいけないとしても、ためらってしまう。生き物としての原則さえ超越した神の側の欲求」

     

    Bet.12 転落

    伊藤開司

    「許されようなんて思わない、謝るようなことじゃないんだ。落とさなきゃ落とされる、この仕組みはこの世の姿そのもの。基本も基本。大原則だ。金や物、人やチャンス、ポスト、人脈、なんだってそうだ。この世の全てが、有限っである以上、奪い合いは当然。ぼさっとしていたら、次から次、みんな奪われる。失うだけだ、何も得らない。だからみんな死に物狂いで獲りにいくんだ!こっちから仕掛けていかなきゃ、失うだけ。だから、攻める!攻めなきゃ弾きだされ、自分の居場所すら失ってしまう。どっちかだ、獲るか獲られるか!殴らなきゃ殴られる。イジめなきゃイジめられ、騙さなきゃ騙され、裏切らなきゃ裏切られる!つまり、やらなきゃやられるんだ!これは抗うことのできぬ真理、現実、だから押せ!押すんだ!恥じることはない、俺は俺のために押す!」

    「押さなきゃ押されるとしても、押さない。俺は押さない!押さないんだあああああ!!!」

    「俺は正しかったんだろうか、それとも間違っていたのか。怯えていたのか、勇気があったのか、わからない。わからないが、確かなことは俺はまた得られなかった、ということだ。またチャンスをつぶしちまったんだ、また」

    「この条件は異例なんだよ。さっきやった橋に限らず、この世を利せんと考えたら、必ず他人と競争だ。必ず他人を押しのけなきゃならない。この機会を逃したらもうありゃしねえよ、今回みたいなこと」

     

    利根川幸雄

    「諸君らは勇敢に戦い、その貴重は権利を勝ち取った。諸君らは勝者!誇り高き勝者である、実に素晴らしい」

    「あんな戯言で金を渡せるか、あんなものは遊びだ。パーティー客をもてなす単なる余興」

    「安くないんだ!2000万、1000万という金は!勘違いするな、ガキめらが。金はな、命より重いんだ!」

    「好む好まざるとに関わらず、人は金を得るために、人生の多くの時間を、そのために使っている。言い換えれば自分の存在、命を削っている、存在そのものを金に変えているんだ。サラリーマンだろうが役人だろうが、みんな命懸けで金を得ている!想像してみろ、エリートと言われている連中の人生を、小学中学と塾通いし、常に成績はトップクラス、有名中学、有名進学校、一流大学と受験戦争に勝って、やっと一流企業に入っても、待っているのは出世競争。仕事第一と考え、上司にへつらい、取引先におべっか、毎日律儀に会社に通い、残業をし、そんな生活を10年あまり続けて、30台なかば、40、そういう歳になってやっと蓄えられる金額が1000万、2000万という金なんだ。分かるか!2000万は大金!大金なんだ!それに比べておまえらはなんだ。必死に勉強したわけでもなく、賢明に働いたわけでもない、何も気づかず、何も耐えず、何も乗り越えず、だらだら過ごし、やったことと言えば、ほんの十数分の余興!なめるな!あんなもんで2000万という大金が手に入るか!それでも手に入れたい、どうしても手に入れたい、となったらこれはもう、命を張る以外にない!」

    「さあ、目を覚ませ。渡れ!渡るんだ!この機会を逃したら、2000万なんてもうおまえらには、生涯手にできない。渡れば今度こそ何の条件もつけずにすっきり渡してやる。行け、掴むんだ!未来を!」

    「すばらしい、歓迎するぞ。道開く者、勇者よ」

     

    Bet.13 怪物

    伊藤開司

    「信じよう。利根川じゃねえが、みんな一度は渡った橋、渡れる、渡れるはずだ!信じよう。自分たちを。渡れる、俺たちは渡れる!」

    「恐れるな!身体の中心さえズラさなければ、100%落ちない!物理的に落ちないんだ!ゆっくり進めばいい、焦らなくていいんだ!今度は競争じゃない!後ろから押されることはないんだ!敵はいない!自分のペースでいける!簡単さ、渡れるに決まってる!いや、渡るぞ!一人残らず、全員渡る!」

    「違う。これは決意なんかじゃねえ、一時の激情に酔い、まっとうな感覚をふっとばそうとする、単なる勢い。勢いだけ。ごまかし。だが、今は、今は酔わなきゃだめ!」

    「生きたい!生きたい!生きたい!金もいらない、何もいらない。40まで借金生活でもいい、何でもいいんだ。ただ生きたい、こんな、こんな簡単で単純なことに、ここまで、ここまで追い詰められなきゃ、気がつかないなんて!」

     

    利根川幸雄

    「クズが!話にならん、クズ!もう少し待ってくれ?おまえらは生まれてから、何度そのセリフを吐いた?世間はおまえらの母親ではない。クズの決心をいつまでも待ったりはせん。一生迷ってろ、そして失い続けるんだ、貴重なチャンスを」

    「いいのさ、愛でるだけで。あちらの方々は下の橋でバカ騒ぎしていた成金どもとは違う。金の世界を牛耳る本物のVIP、資産家だ。ギャンブルなんてもうとっくに卒業してらっしゃる。あんなものは、貧乏人のやることとな」

    「賭けずともいい、賭けずとも十分楽しめるんだ。人が恐れおののき、泣きながら不安定な橋を渡っていく、その様を安定した場所から見ている。もうそれだけで、感じられるんだ、安全という名の愉悦をな。これが思いのほか美味でな。だから賭ける必要などないのさ」

    「恐れているんだ、やつも。恐れているからこそ、渡るという直接的な表現を避け、できる、やれるなどと言い換えた。無意識に逃げている。渡るという行為からな、言葉とは裏腹にその内心は恐怖に震えているわけだ」

    「死という名の魔物。それがまもなく連中を襲う。人の夢や希望、目標、計画、協力や親切、愛情、優しさ、その全てを握りつぶす魔物の中の魔物。生きとし生ける者、全てを支配している死の恐怖。その圧倒的、かつ冷酷な真実。それをやつらはあの橋の上で思い出す」

     


     


     

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