日本統一51
氷室蓮司
「この世にバケモノなんていねえ、人間だよ。人間が相手なら必ず倒せる」
「一部の特権階級が堂々と不正を行うような、そんな日本は変えなければなりません。杉村さんが安心して真実を語れるように状況を整えてみせます」
「三田会長。これでやっと死んだ者に報いてやれそうです」
川谷雄一
「責めてるわけとちゃう。……まあ、あれには人を惹きつける力があるさかいな」
「目の前の大仕事に、専念せな、あかんのや。ええな! このことは誰にも言ったらあかんで」
岸本卓也
「わかんねえのか!データをコピーできるのはおまえだけだ。どっちかが生き残れるなら、それはおまえの仕事だ」
日本統一52
氷室蓮司
「たとえ法を犯しても、あなたを裏切るようなことはしない。それだけは約束します」
「一つ言っておく、俺たちは東友会とは違う。構ってくれとも、うちの為に働けとも言わねえ。これからは誰のためでもない、国民の為に働け!」
「だとしても、その金は笹島ゲンサイを変えた。関根や取り巻きの汚職議員どもを、風見のような狂った人間を生みだしてしまった」
「丈治。おまえは一門の長だ。親父の実子って立場に甘えずに、いい男になった。あとのことはしっかり頼むぞ」
「文句があったらいつでも来い。財団も東友会も消滅した。貸島制も終わった。いいか?あんたら鉄の掟だと思い込んでた貸島制度は、侠和会がぶっつぶしたんだ!」
「これからは実力勝負だ」
田村悠人
「おまえらよう、お隣さんが味方だとは限らねえぞ」
川谷雄一
「お前の心配もわかるけどな、所詮ヤクザもんなんちゅうは、孤独の生き物や」
「東京を落としたら、何千、何万の極道モンを束ねることになる。気の合わんモンも、とっぱモン、全部や。渡世の道は綺麗ごとだけじゃあ渡れんのや」
三田太源
「迫田。わしらも肚をくくるしかないな。やつに会うのもこれが最後かもしれん」
津島健次郎
「これだけは言っておきたい。敗戦で荒廃したごと。人心を憂いる笹島先生の心に、嘘は無かった。日本を並みいる大国に比肩するまでに復興させたい、という先生の心に嘘はなかった。理想の実現には金が必要だ」
「権力は腐敗する。長く続けば続くほど。君たちも、覚えておいたほうがいい」
風見五郎
「俺の言葉は御前の言葉だ。それでもまだ、言いたいことがあるか?」
「これからも変わらねえよ。 このじじいはとっくに飾りに成り下がってた。実際に日本を動かしてきたのは東友会だ。それも変わらない。これからは俺が鎌倉の御前だ!」
日本統一53
氷室蓮司
「もともと道具を持って行く気はなかった。俺が親父の盾になる」
「すでに手にいれた茨城、横浜、八王子のシマを強化して拡大する」
田村悠人
「俺だっておまえをマトになんかさせらんねえよ」
「おい。 この大成はうちでカシラやってるいちの若衆なんだよ。ちんぴらだ、このやろう。誰がちんぴらだ、もういっぺん言ってみろよ、ああ?」
大成虎雄
「わし!みんなに負けんように、親父の期待に応えれるように!」
「わし、この前の親父の言葉が嬉しゅうて」
宮園幸吉
「丸神も京浜も、侠和会にしてもよ。みんな戦後の愚連隊あがりだ。明治以来の俺たち金筋がいつまでも風下にたってたんじゃあなあ」
「俺たちが上みて何が悪い。今のごたごたは考えようによってはチャンスだ。そうは思わねえか?」
日本統一54
氷室蓮司
「だったら俺なんかに情報を漏らすな。それはプロのやることじゃない」
「あんた、まっすぐな人だ。やくざ雑誌なんかやめたほうがいい。本当になりたかった者になれよ」
「俺もプロのやくざ目指してるからなあ、これ以上のことは言えねえなあ」
田村悠人
「ちげえよ、ばか!ブタに失礼だってつってんだよ。こいつと違ってブタはかわいい!」
斎藤浩樹
「いつも思ってるから自然と口から出たんですね?」
大成虎雄
「親父!見ていてください、埼玉の土地に川谷の看板を、親父の名前を!このわしが!」
「しゃあないがな。これが渡世人の生きる道や。遠慮せんとかかっとこんかい。けえへんやったらなあ、こっちからいくでえ!」
「やっぱりうちの親父は日本一や。それに引き換え、おまえらはかわいそうやのう。(若松弟に)このブタが!」
「やっぱり、わし。親父の盃もろうてほんまに良かったですわ。わしの親父は、日本一のわしの親父は、今日ここにはおらんかった。そやなあ。そやなあ!」
「あきまへん。行ってください。親父はこないなところで止まったらあかんのです」
「おやじ、俺がおらんようになっても、だいじょうぶかのう、はは…」
日本統一55
氷室蓮司
「俺の親父はとっくに死んだけど、この横浜のやくざでよ、ガキの頃可愛がってくれて、俺は親父が大好きだった。それがなんでだか、そのうち俺の方から口を利かなくなっちまって、最後までそのままだった。あとになって後悔しても遅えんだ」
「てめえの息子がこんなことになって、何も言うことはねえのか!」
「言い訳すんな!!現実を見ろ。菅井が国を売ろうとしていることを。あんた自身が片棒を担いで汚い金を受け取って、息子が犠牲になったことを!あんたはどう思うんだ?何も感じないならあんたはクズだ!」
「だったら、あんたにできることをよく考えろ。もう一度言う。ここで生き方を変えねえなら、あんたはクズだ。あんたの息子はあんたを絶対に許さねえだろう」
「今からでもやり直すことはできる」
「正しいことがわからねえな、俺たち日陰者は、そういう道しか知らなくてね」
「上が無能だと下が苦労する。どこの世界も同じだよ」
田村悠人
「結局、ここもおまえらのたまり場かよ。自立しろ!蓮司離れしろ!なあ!」
「おまえら、ばかか?逆なんだよ、蓮司が悠人離れしてねえんだよ」
江戸川由利子
「だめです!偏った情報漏洩はプロのすることじゃありません」
佐原
「はっきり言ってよお、おまえらがこっち来てやくざモン同士殺し合うのはどうでもいいんだよ。やくざってもんはそういうなんだろう、勝手にやってしんでくれ。だけどな、俺が許せねえのは関係ねえ素人が巻き込まれる事だ」
「サツの標的は侠和会だけじゃねえ、よく覚えておいてもらおうか」
日本統一56
氷室蓮司
「俺が組構える時にいったろ、イチから積み上げていくんだ。初心に帰るのも悪くねえぞ」
「意味わかるよな? 松宮がどこからネタとってるのか?今のうちに確認しねえと桜の代紋が恥かくぞ」
「岸本と川谷の親父が見込んだ男だ」
「悠人。顔はやめな、ボディにしな」
川谷雄一
《回想》「おまえほどの男が惜しいのう。このくそばかたれが」
「岸本からやけどな、古いツレが落ちぶれてくちゅうのは、…あ、いや、人を疑うちゅうことはシンドイもんやな」
宮下
「わしは誰も恨んでへん。わしが間違うてたんや。二度と人様に迷惑をかけんよう、ひっそりと生きていく。今のままでええ」
「浜田!わしらが間違うてたんや。今からでも遅ない!間違いを認めて、正しく生きてくれ!」
佐原
「侠和会壊滅、けっこうです、賛成ですよ。だが、もし第三者の私利私欲のために動いているのなら、それは警察官として絶対に間違ってる!あんたは、そこだけは間違えない人だと、俺は、あんたのことを認めていたんだよ!」
日本統一57
田村悠人
「岩尾、金がねえと腐るもんだ。特に若けえ連中はな」
「それならそれでいいけどよ、先行きの希望見せてやんねえと、若けえ奴らついてこねえぞ」
中島勇気
「あと!忘れたらあかんのが、豆腐な、豆腐!出所祝いの定番や。なんで豆腐を食うかというとやな!」
岩尾英輔
「あんた知ってるよ。そんなんだから、やくざも務まらねえ。何をやっても半端にやり散らかしてよ」
「てめえで何言ってんのか、分かってんのかこのやろう。盗人じゃねえか、一度は男稼業に入った人間がよ。てめえらも情けねえとは思わねえのかクズ」
「早くやれ、いくら叩かれても一言も喋らねえ。迫田の人間はな、てめえみてえな半端もんとは出来がちがうんだよ」
鶴岡則明
「土地の活用方法次第で、横浜も同じことになる。港が機能しなくなるんですよ、そんなことになればに日本の経済そのものが麻痺してしまう。ところが、利益優先の大企業や汚職代議士はそんなことは知ったこっちゃない。私は断固戦いますが、この先様々な脅迫や妨害があるでしょう」
日本統一58
氷室蓮司
「ああ、あんまりベタベタしちゃあ、いつかあんたと殺し合う時迷いが出る」
「迫田を本気で怒らせるとどうなるか、これでよく分かったな。まあ、気持ちはよく分かる。俺だっておまえの命(タマ)とられたら……」
「おまえは捨て駒だ。戻れば殺される。どっちみちココで死んでもらうけどな」
「小山田みたいなやつを国政に復帰させたら、日本はまた暗黒時代に逆戻りだ。ただ、この話に物的な裏付けはない」
「ただのバカとは思えねえ。あいつらは狂信者だ」
田村悠人
「これで、組合と鶴岡会長はサツが警備するだろ。鋼会は手出しできねえだろう、な、蓮司のアイディア」
「そういうバカだから破門されんだよ、バカ共が寄せ集まっても、バカ度がアップするだけだよなあ」
中島勇気
「あ~ちんころもないようなったし、小山田の選挙もぶっつぶしたし、うん、これでええやん!あ、親父風に言うとしゃんしゃんちゅうて、ね~」
翁長照邦
「へい、よっちゃん!何か勘違いしてるようだけどねえ。座布団からすると、僕はよっちゃんと同格だから」
日本統一59
氷室蓮司
「おかげさんで、俺たちの眼はよく見えるし、耳もよく聴こえるもんでな」
田村悠人
「そう思うんだったら、選挙行けよ。どうせ行ってねえんだろ。俺も行ってねえけど。蓮司は?」
「おまえらを二手に分ける。それぞれ清水と高橋の懐に潜りこんで、戦争を煽れ。共倒れになるまでやらせるんだ」
「ちょっと顔が売れすぎてるからな、こういう作戦には向いてねえ」
川谷雄一
「金筋の極道らしいケジメであってほしいのう」
三田太源
「言っておくが、何か肚があるなら、てめえが怪我するぞ」
須永義明
「万が一、清水と高橋が割れたって、銭持ってるのが強えんだ。わざわざケンカしなくてもな、弱い奴はほっといても潰れてく」
「頭使えよ、頭。所沢にはシャブでイカれた連中がごろごろしてんだろうよ。銭でもシャブでも掴ませりゃあ、何でもやるだろうよ」
栗津敏
「親父にめくれたら、兄弟(剛田)は殺されちまうよ。だったらパクられる方がマシだと思ったんだ、まさかこんな事になるとは」
佐原
「やくざってのは、結局シノギをしたいわけですから。テロで世の中ぶっ壊したら商売になんないでしょう」
「おまえらも他人事じゃねえぞ。いや、おまえらはどうでもいい。政治、宗教、下手すりゃそこらの学生の集まりも、あらゆる団体が国家権力に監視され、つぶされることになるんだ!そんなのおかしいだろ!憲法違反じゃねえか!」
日本統一60
氷室蓮司
「いいかげん落ち着いてくださいよ、俺たち下のモンに任せて、見守る立場なんですから」
「俺たちがやつらをぶっつぶす。サツには出来ねえやり方でな。まだ信用できねえなら、今ここでパクれ」
「何を疑っているか分かるし、俺も汚ねえ手を使うことはある。でも、迫田さん、あんたとやり合うのに、サツの手を借りちゃあ、仏に申し訳がたたねえ」
「いいか、あんたのことだけは、ギリギリ信用しているから、こうして話してるんだ。丸神におっかぶせて、フタなんかするんじゃねえぞ」
田村悠人
「街中に兵隊散らしてよお、ローラー作戦だ。向こうが白旗あげるまで徹底的にやるぞ」
「蓮司に何かあったら死んでもらう。それまで話聞かせてもらおうか、時間ならたっぷりあっからよお。蓮司から連絡くるまで、帰さねえぞ」
中島勇気
「カシラ。わしにやらせてください。年寄りをいたぶるようなクズは許されへんのじゃ。楽に死ねる、思うなよ」
岩尾英輔
「あんた、随分と筋道立てて話すようになったな、氷室さんの影響か」