※「素敵だな!」と思ったものを。
- 2017年:幼女戦記 1期
- 2019年:劇場版 幼女戦記
- 2021年:砂漠のパスタ大作戦
幼女戦記 1期
第1話 ラインの悪魔
ターニャ・デグレチャフ
「聖徒よ、主の恵みを信じよ。主は我々をお見捨てにならず。我が祖国の敵を撃ち滅ぼす力を、与えたまえ!」
「無駄口を叩くヒマがあったら、生き残るために最善を尽くせ」
「我々は軍人だ。上がやれというのであれば、完遂するのみ」
「強制送還だけで済むのだ。ありがたいと思え。我が軍に命令違反をする士官候補生は必要ない」
「軍隊とは組織。組織に必要なのは規則!以上だ」
「軍衣をまとった以上は、祖国に貢献を成す。帝国には無能な兵士を養う余裕など無い」
「いや、間に合わなかったのは遺憾だが、既に敵の照射圏内。給料分の仕事はせねばなるまい」
「貴官らはシュワルコフ中尉と合流して援護にあたれ。私が先鋒で3個小隊をつぶす、残りは君たちのものだ。全くサラリーマンもつらいものだな」
「告げる。諸君らは帝国の領域を侵犯している」
「ここは我らが空。我らが故郷。汝らが祖国に不貞を成さば容赦なく排除する!それが我らの使命!」
「応えよ、帝国を、我らが祖国を、なぜ諸君らは犯さんと欲す」
「空間座標、把握。各目標の乱数回避軌道、算出。チャンバーへの魔力充填、正常。友軍に告ぐ、衝撃に備えよ」
「主よ。信心無き輩に祖国を侵されるのを救いたまえ。遥か道の果て、約束された地にいたらん」
「聞かなくても自明だろう。動かないトーチカなど砲兵にとって格好の的。死にたがっていた奴らにはちょうどよい」
ヴィクトーリヤ・イヴァーノヴナ・セレブリャコーフ
「そっか。安全な後方に送るなんて」
「中隊長殿! 志願します! 私も救援任務に志願します!」
「なんて愛国心の強い御方だ!」
エーリッヒ・フォン・レルゲン
「あれは、幼女の皮を被った……化け物です!」
ハンス・フォン・ゼートゥーア
「報告によれば、当軍の部隊は半数が溶けた。ライン戦線はさながら地獄らしい」
クルト・フォン・ルーデルドルフ
「白銀の二つ名。銀翼突激賞の叙勲者か。この若さでエースとは驚きだな」
第2話 プロローグ
ターニャ・デグレチャフ
「他に道はない、それだけです!」
「これから貴様らを教育してやることになるが、うじ虫どもに期待などしておらん。だが、少なくとも絶望はさせるな!」
「どうした?えびのようにピクピク痙攣して、豚の餌にでもなりたいのか? このうじ虫どもめっ!」
「5分前行動もできない無能を祖国のために間引くことが分からないと?」
「ふむ、私にいかなる印象を抱こうとも自由だが、上官への反抗には厳罰を持って処すべきだな」
「貴様のアホな骸骨を切開して規律というモノを叩きこんでやろう!」
「軍人としての役割を果たしているだけです。部下の統制は士官の義務ですから」
「協商連合による瀬戸際外交のツケがこれか。戦争の覚悟も無く、越境など帝国ならありえんな」
「了解、……せいぜい足掻いてみせましょう」
「たった一人で戦場の主役とは、なんたる光栄!死ぬにはいいというが、全く最高に愉快!」
「表向きは奮闘しつつ、自然な形で戦線を離脱。これが生存と保身を優先させる最善の方法……のはずだった」
アンソン・スー
「分かっている、だが砲撃の観測手なら話は別だ」
創造主 / 存在X
「やはり貴様には信仰心が欠如しているようだな」
「私は、人々を輪廻に戻し転生させる存在。だが、貴様は例外としよう」
「つまり信仰を失った原因は、科学が進んだ満ち足りた世で、社会的な強者で、追い詰められてないからだな?」
「貴様の言う、過酷な状況に、放り込めば、信仰も、目覚めるのだな?」
第3話 神がそれを望まれる
ターニャ・デグレチャフ
「軍人の職責は兵器を扱うことで、欠陥品のご機嫌取りではありません!」
「(天才とマッドは紙一重というが、対話すら成立しないとは)」
「不都合を生じる可能性があるものは、いつか必ず不都合を生じます、究明な法則でしょう」
「やはり主体的な行動あるのみだな。形而上の存在にすがるなど、所詮は無能のやることだ」
「生憎、神とやらにすがるほど追い詰められてはいないので」
「奇跡など、観測と体系化が不十分ゆえの錯覚。いうなれば……素晴らしき勘違いです」
「Deus lo vult 神がそれを望まれる」
「あ、悪質するマッチポンプ。どこまでくそったれなんだ!」
「神の奇跡は偉大なり。主を称えよ、その誉れ高き名を」
「最前線に呪われた宝珠とは、存在Xに禍いあれ!」
アーデルハイト・フォン・シューゲル
「君が集中力を欠くからだろう。それでも軍人かね?」
「理論上は動くのだ! 君こそどうしてまともに動かせない!」
「科学の進歩に犠牲はつきものだよ。もちろん君だけでなく、私もここを動かない」
「科学者たるもの探求に忠実であるべきだろう」
「私は昨夜、天啓を受けてね。天意のアイディアとともに神の声をきいた。発明の神が舞い降りたのだ。……今や敬虔な信徒だよ。少尉、君も神に会ったことがあるのだろう、我らが神に祈れば必ずや願いは叶う! でなければ、二人して殉教だ!!」
「いい機会であろう、共に神へ祈ろうではないか!」
「やはり、主はおられた。Deus lo vult、神がそれを望まれるのだ」
ヴィクトーリヤ・イヴァーノヴナ・セレブリャコーフ
「神様っているんだなあ……」
イーレン・シュワルコフ
「なにはともあれ、貴官の武運を祈ろう。神は常に我らと共に」
創造主 / 存在X
「貴様こそまるで進歩がないようだ」
「なぜ、創造主を称えん。昔は語りかけるだけで人々は神を崇め、時には人間側から呼びかけすらあった」
「今後、貴様を宝珠を使うたび神への祈りを唱えずにはいられない。やがて貴様の心も信仰に満たされるであろう」
第4話 キャンパス・ライフ
ターニャ・デグレチャフ
「前線を離れ、すでに半年以上が過ぎた。いまだ血と硝煙の匂いが鼻の奥から消えないが、私は、今嬉々として学問に励んでいる」
「いついかなる時に、自分の存在意義を賭すやもしれぬ装備であり、日頃から備えておかねば安堵できないからです」
「これは尊厳の問題であり、敵の存在を再確認する必要行為だ。あの存在Xを撃ち殺す好機がいつ訪れるかもしれん。好機への備えは怠るべきではないし、怠ることなど不可能!」
「私の父は軍人でした。……母にも捨てられ、孤児となった私には軍隊以外の道などありませんでした」
「大尉殿。あなたは優しい方だ、理性的でなにより良識がある。……でも、だからこそ狂気の幕が開ける前に後方に下がるべきです」
「生きることも戦いなのです、娘さんを戦場に送らないためにも」
「精神的に無防備になった相手を説得すべき、そう主張したファシストは悪魔的天才だな」
マクシミリアン・ヨハン・フォン・ウーガ
「ライフルに、新聞、あいかわらずだな。まさに軍人の鑑だ」
「中尉を見ていると、ふと思うのだ。自分の娘も戦争に行くとこになるのだろうかと、な。可愛い盛りの子供を戦場に送るなど、どうかしている。そうは思わないか?」
「国際上の義務は果たした、仕事にかかるとしよう!」
ハンス・フォン・ゼートゥーア
「中尉。貴官は人を選びすぎるとも聞く、能力を疑うわけではないが、あまり良い風評ではない。留意しておけ」
「子供を戦争に送る、か」
第5話 はじまりの大隊
ターニャ・デグレチャフ
「(優秀すぎる副官も問題だな)」
「ふ、知らんな。目の前のことも見えぬ無能など原隊送りが当然だろう」
「では妥当性のある基準設定の見直しと、再教育の時間が必要です」
「本日をもって、貴様らは無価値なうじ虫を卒業する。これより貴様らは帝国軍魔道師である! 戦友の絆に結ばれる、貴様らのくたばるその日まで、軍は貴様らの兄弟であり、戦友だ! これより諸君は戦地に向かう! ある者は二度とも戻らない、だが肝に銘じておけ、そもそも帝国軍人は死ぬ! 死ぬために我々は存在する! だが帝国は永遠である! つまり、貴様らも永遠である! ゆえに帝国は貴様らに永遠の奮戦を期待する!」
「戦争だ! いや戦争のようなシロモノの始まりだ」
「大隊各位、行動を開始せよ。連中に戦争とはどういうものか、文明の鉄槌叩き込んでやれ!」
「帝国へようこそ、ご入国の目的は? ビザはお持ちですか?」
「ビザはお持ちではない、では捕虜としてのご入国を希望されますか?」
「連中は1世紀前のパラダイム。今なお二次元に生きているらしい」
「我々は戦時国際法を無視する野蛮な集団ではないのだぞ。人道主義者が定めた法律通り、敵の工廠だけを破壊し、避難勧告も出さねばならん」
ヴィクトーリヤ・イヴァーノヴナ・セレブリャコーフ
「3個師団、ですよ。常々思うのですが、少佐殿の感性は少々……」
第6話 狂気の幕開け
ターニャ・デグレチャフ
「元々、即応の遊撃大隊ではあるが、参謀本部は我々を馬車馬並みにこき使うらしい。さぞ大きなキャロットが用意されているだろうな。とは言え、ただで飯が食えるほど馬という生物も恵まれてはおらん」
「ただし、諸君らのノルマは足止めだが、べつに私を待つ必要はないぞ。全て倒してしまっても一向に構わん」
「火と鉄の試練をくぐる機会が与えられたと、誇りたまえ。我々の戦いは他の列強諸国に、ひいては世界に覗き見られている。国威のためにも失敗は許されん!」
「この状況で背を向けるのは無理か、敵前逃亡扱いされてはかなわん。給料分の仕事はするとはしよう」
「お相手は鈍重な鉄の塊。ダンスを踊れるとは思えんな」
「主よ。我が祈りを聞き、我が願いに耳を傾け、天上の世界から鉄槌を下したまえ」
クルト・フォン・ルーデルドルフ
「7万の兵で60万を蹂躙か。痛快だな」
創造主 / 存在X
「喜ばしいことだな、……この世界の誰もが信仰なき貴様を葬らんとして、冒涜者を罰する聖なる大戦が幕を開けたのだ。……どうかね、世界を相手に無謀な戦いを挑む気分は?」
第7話 フィヨルドの攻防
ターニャ・デグレチャフ
「共和国や連合王国の介入により、敵の抵抗は頑強です。とても短期間で打破しうるとは思えません」
「小官の義務として、断固異議を申し立てます。このままでは現場の部隊に甚大な負担を及ぼすばかりかと」
「失礼しました。西方では友軍が泥をすすって飢えに苦しんでおりましたが、ここ北方の司令部はずいぶんと恵まれているようでしたので、つい」
「主よ、父と子の名のもとに裁きの雷をおとしたまえ」
クルト・フォン・ルーデルドルフ
「言うまでもなく、本作戦は戦略上の奇襲に近い。よって、攻撃目標についても敵の想定を超えた地域でなければならん」
アンソン・スー
「メアリー。お母さんを助けてあげなさい、身体には気をつけるんだぞ」
「もはや我が国は若者に死んでくれ、としか言えぬ状況だ。なればこそ、大人の我々も戦い続けねばなるまい」
「神よ、なぜですか、なぜ……なぜ、奴がここに?!」
「……まだだ、まだ、終われはしない!」
「神よ、願わくば我にあの悪魔を撃ち滅ぼす力を与えたまえ」
「祖国よ! 汝を決して、滅ぼすものかっ!」
メアリー・スー
「お父さん!少し早いけどクリスマスプレゼント!大切にしてね!」
第8話 火の試練
ターニャ・デグレチャフ
「我々は行くも地獄、退くも地獄というわけですか」
「逃した敵はまた銃をとるのだ。我々を撃つためにな」
「奴らを逃せば、あの中から帝国に憎悪を燃やす新兵が生まれるだろう」
「これは上からの命令だ。敵は撃たねば撃たれるのだ、少なくとも撃つなと言われるまでは撃たねばならん」
「もう一度だけ言う、これは上からの命令だ。銃をとりたまえ」
ヴォーレン・グランツ
「彼らは砲撃から逃げる術を知りません!もし、もし、我々があの魔導師たちを排除したなら……」
第9話 前進準備
ターニャ・デグレチャフ
「(なるほど、ボナパルトのアウステルリッツか、あるいはカンネーにおけるハンニバル、というわけか)」
「やるしかない。やるしかないのであれば、成功させねばならない!」
「つまり、明日の作戦こそが戦争を終わらせる一撃だ! 我々は全軍の先鋒たるぞ!」
「戦友諸君。私は神ではなく参謀本部。論理と知性の牙城を信ずる。義務と検診こそが我らの誉だ。この戦い、勝ちにいくぞ。煉獄であろうと赴き、征服する事こそ帝国軍人の本務! 番犬は優秀であるという事を教えてやれ!」
ヴィクトーリヤ・イヴァーノヴナ・セレブリャコーフ
「指揮官は自分、だから部下が責任を負う必要はない。ひょっとしたらそんな意図があったのかもね」
ハンス・フォン・ゼートゥーア
「パラダイムシフトが必要でしょう。我々が直面しているのは、歴史が始まって以来の世界大戦です。敵の城に攻め入って、城下の盟(ちかい)を結ばせるといった戦前のドクトリンは実現性が乏しすぎます」
「勝利ではなく敗北を避ける、これ以外に最後まで立っているのは困難かと」
「積極的な行動については指示致します。ただし、その目的は突破ではありません。……できるだけ多くの敵兵を徹底して叩き、敵の戦争継続能力を粉砕する、それが戦争終結への唯一の道です」
クルト・フォン・ルーデルドルフ
「本計画における第一作戦は戦線の大規模後退による敵の誘因。その後の作戦への布石であります。我々は前に進まねばなりません。いわば、前方への脱出こそ最良の解決策であると確信いたします」
第10話 勝利への道
ターニャ・デグレチャフ
「参謀本部が進行中の戦争終結に向けた極秘計画だ。第一作戦、大規模後退による敵主力部隊の誘因。第二作戦、敵司令部を強襲しての指揮系統撃滅。第三作戦、行動戦術による敵陣地の突破。そして、回転ドア作戦での敵主力包囲。大規模包囲による完璧な撃滅、これこそまさに軌道包囲の理想形だ」
「分かっているとは思うが、帰るまでが遠足だ!勝利の宴に参加しないうちにヴァルハラへの抜け駆けは許さんぞ!」
「カンネー以来の大規模包囲戦か。帝国軍は戦士に不滅の金字塔を打ち建てたわけだ。おもえば戦禍に身を浸す軍人という存在は、時として常識を失いがちだが、平和さえ戻ってくれば全ては日常によって置換されるはず……だから、もう少し、もう少しの辛抱だ。この一撃で、あとわずかで、戦争を終わらせられる!」
ハンス・フォン・ゼートゥーア
「これで戦争芸術の歴史に我々のページが追加されるな」
クルト・フォン・ルーデルドルフ
「ああ、この一撃。この一撃で戦争が終わる!」
第11話 抵抗者
ターニャ・デグレチャフ
「捕捉された以上は追撃される! ケツを掘られるよりはマシだ!」
「今動かねば、後世の歴史家から怠慢だと言われかねません」
「我々は、我々は、戦争を終わらせる機会を逃したんだぞ」
アンソン・スー
「主よ、我に力よ」
「主のお導きだ」
第12話 勝利の使い方
ターニャ・デグレチャフ
「確かに、我が軍は実に見事な勝利をおさめました。今や世界の誰もが、わが国の勇士に瞠目するしか無いでしょう。帝国の勝利と栄光も、この瞬間だけは本物なのかもしれません」
「勝利、それは何とも魅惑的であります。誰もがその美酒を口にしたいと思うのが当然です。しかし、なぜ参謀本部はその勝利を活用なさらないのでしょう?」
「参謀本部の皆様は、あまりに合理的すぎるのです。ゆえに、完全に見落としておられるのです。人間という存在が、合理性だけでは動かない、愚かな生き物であるということを」
「私は見てきました、憎しみに囚われた燃えるような人々の目を。優秀な部下が怒りに身を任せ、冷静さを失った瞬間を。憎悪のみに突き動かされる復讐の連鎖を。そして小官は気づいたのです。いや、気づいたというより、思い出したと言うべきかもしれません。私は以前、合理主義に対する狂気的な反発を身をもって経験しました。いかに近代化が進もうとも、いかに社会規範が浸透しようとも、人間は時として合理性よりも感情を優先する愚かな存在であるということを。憎悪に囚われた人間は、打算も、合理性も、損得さえ抜きに、どこまでも抗い続けます」
「だからこそ、小官は申し上げずにはいられないのです。我々は仮初の勝利になぞ酔いしれるべきではない。憎悪の火は全て消し去らねばならないと」
「帝国は絶大な軍事力、卓越した戦術と優れた機動力により、ダキア公国、協商連合、侠和国を圧倒。安全保障上の脅威を次々に退け、誰もが随喜した。だが、それゆえ彼らは想像しえなかった。帝国が強大無比な覇権を大陸中央に確立するという事実。その事に対する、周辺諸国の根本的な恐怖を」
「帝国は自ら握った剣の鋭さを誇示するあまり、その剣に対する恐怖を想像しえないでいたのだ。無論、誰もが平和を願っている、そう、あれかしと。それゆえ皆、平和を守るために銃を取り、平和を願って戦いに身を投じる。過酷な戦争を終わらせるべく、帝国以外の誰もが願っていた。帝国という邪悪な敵が、この地より撃滅されんことを」
「かくして、なんたる矛盾だろうか。皮肉なことに、平和への願いによって戦争は鎮まるどころか激化の一途を辿っていく」
「くそったれの神に、我らが戦場は不似合いだ! 今こそ神の仕事を肩代わりしてやろうではないか! 我ら将兵のあるうちは、我々が神にとって代わるのだ! 傲慢な神とやらを失業させてやれ!」
「では戦友諸君。戦争の時間だ!」
エーリッヒ・フォン・レルゲン
「いくら軍神マルスに愛されてるとはいえ、さすがに傲慢だろう」
「貴官は卓越した先見性と判断力を有した類稀なる将校だが、やはり人間の本性は変わらないというわけか」
「貴官は、我々人類が未だ理性を欠いた獣だとでも言いたいのかね」
「僭越ながら申し上げますと、あれは幼女の皮は被った化け物です!」
ハンス・フォン・ゼートゥーア
「結局のところ、敵を倒しきれなかったことが問題であろう」
「我々は、何かを間違っていないだろうか。南方作戦とて、これ以上の参戦国が増えないことを前提にした計画だ。もし、仮に更なる国が戦争に参加するとなると……」
メアリー・スー
「宣誓! 私は守るべき平和のため、何より大切な家族のため、力の全てを費やします! もう二度と帝国によって、家族を失う悲しみが繰り返されない世界をつくるために! そして、神の正義を成すために! 主を信じる善良なる心に誓って! 神の御加護をあらんことを!」
劇場版 幼女戦記
ターニャ・デグレチャフ
「だが今は生き残るのが先決。必要が必要であるがゆえに」
「帝国に栄光を」
「諸君、共産主義の跳梁跋扈を許すな。銃をとれ、奮起せよ、宝珠を握りしめるのだ!」
「(正直、戦争なんて大嫌いだ。人間同士の殺し合いなど人類史上最悪の営みだとすら思う。資源と人的資源の浪費の他ならない、だが相手はコミーだ。個人の自由を侵害する全体主義者だ。コミーと共には天を仰げない。安全な後方で順風満帆な人生を送るためにも、銃をとらねばなるまい)」
「額面戦力よりも中身だ。共産主義者は党の正しさを前提とする、軍事的合理性よりも政治が優先だ。逆らえば粛清だろうよ、そんな軍隊、軍隊だとでも?」
「戦友諸君、我らが祖国は何をした? 答えは単純。我らは何もしていない、何もだ。だが連邦は我々をぶち殺そうと殴りかかってきた。良き隣人であることなど不可能だ! この世は理不尽な存在なばかりのようだ。奴らが我々の権利を侵害するならば、戦わねばならない! 私は何よりも自由を愛する、自由を獲得し、自由を擁護し、自由を守り抜く。断じて退くわけにはいかない! 戦友諸君、自由のための闘争だ!怯むことなど許されない!コミーどもにはお帰りいただくぞ!必ずや勝利を!力ずんば死を!我らこそが祖国の門番だ!」
「戦争に個人的だと、馬鹿馬鹿しいにもほどがある!」
「仕事だ、感情は抜きだ。理性に基づく自由意志において、……殺そう」
「神よ、罪深き我らに許しを。願わくばかの者をみもとに導きたまえ」
「獣め、とても付き合ってられん。さよならだ」
「できれば殺したかった、いや殺すべきだったな」
「帝国は閣下の拳と同様、傷ついているのです。血が流れすぎているのです」
「戦争とて、政治です。外交手段の一つです、よって戦いを適切に終わらせることが出来なければその先に待つのは、次なる戦争のための単なる準備期間。あらたな愚行の始まりかもしれません!……あるいは、全てを破壊の炎で焼き尽くし、あとに残るは焦土と化した大地のみやもしれません。たとえ、世界を制して超大国に成りえても、また違った形の争いがうまれるばかりでしょう。栄光のさなか、背後の一突きで全てを失うこともある世の中です」
「閣下の仰る通り、まずもって勝利が全て。しかし、正しく勝たねばなりません。でなければ、いずれ歴史に笑われます。戦争はどう勝つかが重要なのです」
「神の突きつける過酷な運命とやらに従う道理など無いっ! 唯唯諾諾と神に救いを求めるなんてありえんっ! 配られたカードを活用して己の未来を掴み取るっ! それが人間の特権だっ! 人間の条件なのだ! 残念だったなあ~存在X」
エーリッヒ・フォン・レルゲン
「斯様な経験者からの上申です。清算は十分、ただ政治が許容するかどうかの確認でしょう」
クルト・フォン・ルーデルドルフ
「随分と悠長なことだ。貴官は一つ、忘れているらしい。戦争のやり方というのはな、こうやるのだ!! 衝撃力だ! 我々帝国にはその力がある。戦争とは小賢しさではなく、意志の問題だ。覚えておくといい」
アーデルハイト・フォン・シューゲル
「ただ、神の御意思に思いを馳せるならば、世界を戦争へと突き動かしたのは、帝国に対する耐え難い恐怖だと言えるかもしれません。……ええ、つまるところ、感情です! ある者は恐怖し、ある者は憎んだ、ある者は信頼し、ある者は執着した。誰もがその心を感情に支配され破滅の道を進んでいったのでしょう。剣をとる者は皆、剣で滅ぶように」
メアリー・スー
「奴らの行為を見過ごせません。出撃します!」
「例え、主義主張が異なっていても友軍が戦うならば肩を並べる。それが軍人ではありませんか?!」
「平和のために!正義のために!」
「銃で撃たれるのは痛い、お父さんの銃だともっと痛い。優しかったお父さん、あいつはお父さんの仇、あの悪魔だけは許さないっ……神様、神様、どうか、私に力を」
「死ねえ!お父さんの仇だ!」
「どうして、どうしてなの? お父さん」
ウィリアム・ダグラス・ドレイク
「帝国という単一の悪に対抗するため、全世界に架けられた虹のように多民族が結集、とのお題目で」
「軍人を語るならば、まず命令を守れ!」
「無能な働き者か、厄介な」
「兵士であるならば、敵と仇を混同するな」
サー・アイザック・ダスティン・ドレイク
「敵の敵は味方というわけだ。本国の政治家連中に、代わって仲良く肩を組んでるよ」
「全く、上はいつもアイディアだけが先走る。人類の進歩と普遍性を象徴する部隊、だったか」
「狼と握手するのは億劫である。だが、羊を率いてライオンと戦争するよりはマシだ」
「世界は舞台だ。誰もが何か役割を演じなければならぬ。……だが、私である必要もあるまいて」
ロリヤ
閑話「砂漠のパスタ大作戦」
ターニャ・デグレチャフ
「パスタを茹でるのに、飲み水を使い果たしたなど、笑い話にもなるまい。絵に描いた餅、空に浮かぶパイと同じだよ」
「やはり、パスタはソースやスパイスがあってこそだな」
「報連相の徹底はいつの時代でも有効。官僚的な保身措置は怠らないようにせねばな」
「なんにせよ、我々に必要なモノはいつでも遠くにある。それを手にするために、働き続けなければならない。よって、これより『砂漠のパスタ大作戦』決行だ」
「砂漠でかくも豊かな食事がとれるのは、一時の偶然だろう。だが、その偶然が部隊の人員にゆとりと人間性を回復させている。素晴らしいことだ」
「食事は大事だな」