かっこいいから。元気になる。ただただ、それ声に出して言いたい!!
……そんなセリフをまとめています。
日本統一シリーズ | |
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日本統一21
氷室蓮司
「これからは山崎でも、川谷でもなく侠和の代紋のもとに集まり、会のことを一番に考えた組織にするんだ」
「…それでもおふくろの死に目くらいには会えるんじゃないですか? おふくろの死に化粧を見てた時、俺は決めました。父親だけは絶対に許さねえと」
「それは意地悪ですよ、親父。龍さんもこうして藤代組を守って、親父に恩返しをしてくれてるんです。龍さんの立場も考えてあげてください」
「昔とった杵柄で、いつまでも同じ座布団に座ってられないということだ。今は昔のように、シマのもりだけしてれば生き残れる簡単な時代じゃない。その上、この国を侠和の代紋一色に染めようとしているんだ。並大抵のことじゃない、皆それを肝に銘じておくように!」
田村悠人
「まあ、難しく考えんなよ。俺たちはよ、黙って蓮司に付いていけばいいんだからよ、な!」
「丈治……それが筋なんだよ」
川谷雄一
「まず、皆にわしの肚づもりを話しておく。わしは先代、先々代の悲願やった日本統一を必ず成し遂げてみせる。そのためには、皆に今以上に大きな苦労をかけると思う。せやけどな、天下を獲るちゅうことは、侠和の看板を背負ってるもんの宿命じゃ。そのために、わしゃあ鬼にでも蛇にでもなったろうと思っとる。これからのう、年功序列なんちゅうぬるま湯に浸かっとるヒマないで。ええか?この国の極道社会には、侠和の看板しかいらんのじゃあ! わかったか!?」
「そうや、日本任侠界の長い歴史の中で、誰も成しえていない前代未聞のことや。道のないところに、新たな道を敷くには、渡世のしきたりなんぞに縛られとってできるんか?」
「ここからの戦いは修羅の道や。今までのとはワケが違う、それを乗り切られるんは……氷室、おまえだけや」
「兄弟。これがわしにできる藤代親分への唯一の恩返しやで」
「兄弟の気持ちはよう分かっとる。せやけど、藤代の看板しょって、丸神担ぐのと、この氷室を担ぐのと、どっちが義理があるのか、分からん兄弟とちゃうやろ?」
「お地蔵さんみたいになってもうたやないかい!」
「中には肚にイチモツ持っとる者もおるやろ。それは肚の奥底に仕舞い込んで、消し去ってくれ。……この厳しい時代を生き抜いていくには、今までの古い習わしに囚われん、新しい形の組織の運営が必要なんや。信賞必罰と組織の若返り、これを徹底してこそ、さらなる侠和会の発展がある!」
馬場伊佐雄
「わけはどうであれ、元は侠和会に尽くしたもんたちや。そんなわかいもんを大事に扱うてこそ、任侠の道やで」
渡部圭太
「渡世はもうコリゴリですわ」
棟方龍治
「私、丸神会藤代組棟方龍治は、8年6か月の修行生活を終え、本日、無事に出所いたしました。これもひとえに三田会長ならびに、一家一門の方々のおかげと、重ねて御礼申し上げます。これからも任侠道に邁進する所存にございますので、みなさまご指導ご鞭撻のほどをよろしくお願い申し上げます。本日は、ありがとうございました」
「俺の命は親父に拾ってもらったもんす。いつでも死ぬ覚悟はできてます。何でも仰ってください」
「きっと若には若なりの考えがあるんですよ、若のことも俺に任せてください」
「藤代親分の忘れ形見を……若以外にお呼びしようがありません」
「話せば、心のまっすぐな奴らだって今は分かります」
「俺にそんな度量はありません、会長と理事長にしっかりついてくだけです」
「てめえの都合でケンカしちゃいけません。子や親兄弟のためにこそ、拳をおろすんです」
瀧島彪雄
「さすが、藤代親分の遺志を継いで三代目を継承しただけのことはある。頼んだぜ、棟方!」
知美(氷室姉/謙太母)
「何、言ってるの。謙太は後悔なんか何一つしてないわよ」
「あんた!! 日本一の親分になって謙太の夢を叶えてあげなさい」
日本統一22
氷室蓮司
「俺がカシラになった以上、初代からの悲願でもある日本統一を絶対に俺は成し遂げる。そこには博徒も神農もねえ。俺たち極道はひとつにまとまる必要があるんだ」
「今回の抗争は日本中の極道が注目してます。こういっちゃなんですが、会長が自ら会場に行くことで、かなりの宣伝効果が狙えます」
「この日本から抗争を無くしたいからです」
「たいがいの奴は、自分に実力がついてからその能力に見合った立場と役割が与えられると思ってる。……でもな、これは逆なんだ」
「立場が人を育てる。与えられた役割によって人は成長するんだ。それは丸い器に水を入れた時、方円を描くようにな」
「いいか? 俺は絶対におまえに四代目山崎組を継がせる。今はその器量はねえかもしれねえが、座っちまえば、いずれはその椅子に見合った男になる」
田村悠人
「丈治。蓮司はよ、おめえに自分の型にハマるなって言いてえんだよ」
川谷雄一
「これで火種はできたな」
「わしがでばることで、カシラの仕事がやりやすくなるやろ?」
「肝座っとるやないか、若宮」
川上章介
「やめてください、俺は謙太が死んじまったって聞いた時から、次は俺が謙太の代わりになってやる、蓮司さんに付いていくって決めてました」
「心配しねえで、俺に任せてください。丈治を立派な組長に育ててみせますから」
「てめえがやりてえことしてえならな、上にのし上がってからにしろや!」
松永清吉
「俺たちは戦後の焼け野原に、闇市でばいを始めた頃から、ずっと博徒の者たちと住み分けしてやってきた。ハネっ返りもいりゃあ、時にはケンカになることもある。だがな、神農の意地をみせて今日(こんにち)があるんだ」
三田太源
「本部の意向を無視して突っ走るやつは、うちにはいらねえ」
「いいか、おめえの身勝手な行動ひとつで丸神18,000名が露頭に迷うんだ。その上で肚を括ってんのか?」
若宮猛
「もし、俺が式場で命(たま)をとられるようなことがあれば、極山会を落とせる大義が揃う。そうなら安いもんじゃありませんか」
瀧島彪雄
「おまえさんが、藤代親分の忘れ形見か! いや、父親に似て立派な面構えだ」
「噂に違わず、頭の切れる男だ」
林
「せや、おまえも少しは頭を使うシノギを覚えなアカンやろ」
日本統一23
氷室蓮司
「それは代紋だけの問題だろ。げんに東北神農会はうちの傘下として、今までと同じようにシノギに励んでる」
「沖縄ヤクザの戦闘力はあなどれねえぞ。無傷で手に入れるにこしたことはねえ」
「真栄田会長が俺が見込み違いの男だったら、盃は終わる。それでも俺に賭けると言ってくれてるんだ。俺からすりゃあ、その気持ちだけで十分だ」
「これが自分のやり方です。やれるだけのことは、やらせてください」
「強い者が、この日の本を統一して仁と侠を貫き、社会と調和していく…それしか俺たち極道の生きる道はないんです」
「沖縄の歴史が物語るように、ひとつの代紋のもとに団結すれば、つまらねえ争いは無くなります。そのために、俺は戦い続けているんです」
「だったら、ひとつ教えてくれ。テキヤのシノギはまっとうで、博徒はかすりをとるだけのクズだって言いてえのか?」
「このケンカは俺が勝ったんだ。俺の言うことを聞いてもらうぞ」
「俺は侠和の代紋でこの国の博徒をまとめあげ、本当の任侠道を貫き通す。……だからあんたも、侠和の看板でこの国の神農をまとめてくんねえか?」
田村悠人
「神農だけじゃねえぞ。俺たちは日本統一するんだ。この混乱に乗じてドンドン他の組も引き入れる!」
「いいか、一度しか言わねえぞ。おお、今3時だ。今からおまえらに24時間考える時間をやる。侠和会の下につくか、それとも死ぬか。決めてこい」
渋谷誠吾
「そないなったら、日本中抗争だらけになってまう。それこそ、サツや世間様かて黙ってらんやろう」
真栄田幸洋
「盃だ代紋だなんてもんは通用しねえ。ようは、『人』しか信用しねえんだよ。だから、俺と兄弟盃を交わしても、何の重みもねえ。それでいいなら、あんたと兄弟分になってやる」
三田太源
「鶴見! とことんやってこい」
瀧島彪雄
「いや、いつまでもな。片意地はって、この世界にしがみついてるよりは、もうろくした方がマシだぜ」
松永清吉
「俺のかわいい子供たちを丸神で引き取ってくんねえか?」
平川進
「俺たちヤクザの代紋てのは、簡単に付け替えられる……そんな安いものなのかい?」
「ああ、そうだ。誰かが神農の意地を見せなきゃ、この世からテキヤが居なくなっちまう」
「丸神に突っ込もうかとも思ったんだけどよ、やっぱりあんたとケリをつけたほうがいいと思ってな」
「楽しかったぜ、氷室。俺の負けだ、殺せ。殺してくれ」
渡部圭太
「かまへん。アホやなけりゃ今更わしらと手切れんことくらい分かるやろ」
「ここであのダボ取って、わしがもう一度、侠和会に返り咲いたる!」
「ええか、ここが勝負時や!」
林
「まあええわ。これでどっちにしろ花火が上がったんや」
日本統一24
氷室蓮司
「なるべく暴力以外の方法で解決するんだ、暴力は最終手段だ」
「俺の目に狂いはねえよ、頼むぜ兄弟」
「ああ、そうだ。だがその力のある者が下の者をきちんと面倒みてやらねえと、それは組織の崩壊に繋がる」
「そうだ。おまえらが模範となり、俺の考えを実行して、他の執行部に証明してもらいてえんだ」
田村悠人
「俺ら所詮ヤクザだろ。力ある者が力ねえ奴従えんのは自然の道理だぜ?」
「さすがだなあ、蓮司は。いっぺんよ、おめえの頭ん中のぞいてみてえよ」
「おお、ヤクザだろ? 正義の味方なんかじゃねえんだよ!」
「正義の味方だよ」
大成虎雄
「親父はこう見えて、いっつも全部計算しとるんや、抜け目ないで」
権田稜一
「わしの親父がこさえた侠和会や! わしが継ぐのが筋と違うんかい!」
「氷室。おどれのせいで、権田は落ちぶれてしもうたがな。カシラのイスはわしがもろて、川谷の跡目はわしが継ぐで!」
「じゃかいしいわぼけ! おまえは今この場で死ぬか隠退するか二つに一つじゃ」
「どうせ、このままおまえの下につくくらいやったら、おどれの命(たま)獲って死んだほうがマシや!」
麻岡光利
「いや!兄弟。もう今がちょうどええ潮時やで。中島組長のいうことは、筋が通っちょる。わしら年寄りはいつまでもイスにしがみつとったら、下のモンがうかばれんじゃろ」
「命だけは大事にしいや」
小林久人
「それが権田の親父に対するわしができる唯一の恩返しなんや」
「実子の言うように、わしら権田組は工藤組や山崎組に押されてもうて、こないにちっぽけになってもうた」
「わしみとうな古いヤクザにはな、今の渡世は渡っていけんのや」
「そうや、その通りや。せや時期がきたらや。今は辛抱する時や」
三田太源
「確かにわしら極道だ。やるなとは言わねえ。だが、戦争なりゃあ人も金も食う、そう気安く口にできるもんじゃねえぞ」
日本統一25
氷室蓮司
「襲撃を受けるスキが我々にあったということだ。こんなことあってはならない。こんなことで日本統一という目的を達成できるのか!」
田村悠人
「いいか。俺たちはみんな侠和の代紋背負ってるんだ。その代紋頭が狙われたってことは、侠和の金看板が汚されたってことだ!」
川谷雄一
「わしらが進むべき道を邪魔するもんどもを、徹底的に潰していかんかい! みんな気を引き締めて、精進していってくれや!」
中島勇気
「自分の親を売るようなやつに、盃なんかおろすか? おろすわけないやろがあ!!」
馬場伊佐雄
「黙れ小僧! わしはおどれが産まれる前から、渡世の荒波をこの身ひとつで渡っとんのじゃ!」
真栄田幸洋
「ばかなことはやめろ! また沖縄の海に血を流すのかおまえら!」
「沖縄で流す血は、俺で…最後にしてくれ。上原」
棟方龍治
「なんでもかんでも、時代に合わせりゃいいってもんじゃねえ。そんなことなら、俺らヤクザ稼業を辞めちまったほうが、よっぽどマシだ」
鶴見憲吾
「俺たちが考えつくなんてことは、あちらさんだって、考えつくってことだよ」
若宮猛
「ヤクザも時代に取り残されちゃあ、終いでしょう。時代が時代ですから」
比嘉
「どうせここの3人でいたって、最後はやられちまうだけだ。だったら、デッカイ花火打ち上げてやろうじゃねえか」
渡部圭太
「川谷狙ろうたんやが、しくじりおったんや。それが何ぞ問題が?」
「川谷のダボも、氷室のボケも、悪運だけは強うて失敗ばかりしとる。もう、わしら引けんとこまできとんのや、せやから本格的に人間を固めなあかんのや」
吉田社長
「親分のおかげで、あれから小さいですが仕事も頂けるようになりまして、それに娘も手伝うてくれてます。親分のお役に立てれば、それだけで十分です!」
日本統一26
田村悠人
「今ここにいねえ奴らをよ、俺は敵とみなすからよお!」
渋谷誠吾
「はよ、やれや! せやけどな、ただではあらへんど! わしかて侠和の幹部や!山崎のねや! おどれや、一人二人、道連れにしたるど!」
「ブサイクやな、……田村のアニキ、…ありがとうございます。氷室のアニキ、すんまへんでした」
平川進
「…………わかった。兄弟、頭上げてくれ。カシラに掛け合ってみる。一緒に神農の意地貫いていこうぜ」
「神農の意地、みせつけてやろうぜ兄弟」
鶴見憲吾
「もし俺が、向こうのカシラにやられたら、そのカシラに返しができるのか? 氷室をやれるのか?」
「神戸に氷室がいる以上、兄弟は丸神の人間には成り切れねえだよ」
「いつかは肚決めなきゃならねえ日がくるぜ」
北見信久
「兄弟。この通りだ、テキヤである前に一人の男だ。その信念に乗りてえんだ、意地張って生きていきてえんだ、な?頼む!(頭を下げる)」
「色々悩ませちまってすまなかったな」
奈村志郎
「せやったら、わしに大義があったらわしゃあ神戸と構えてええちゅうことを、わしはそう捉えまっせ。わしのところは他所と違って、侠和とシマを二分しとるんや。対岸の火事やないで!」
比嘉
「どうせ沖縄にいたって、奴らに追い込まれて犬死にするだけだ」
「それとも、今ここで、おまえたちの頭に俺がぶちこんでやろうか?」
「人数が増えたところで、所詮はただの烏合の衆だ」
「てめえ獲ったて、何の勲章にもなりゃしねえ。俺たちはきっちり川谷の命(たま)とってやるから、大人しくみとけ」
島袋ジュンイチ
「やってやる…やってやるよ!俺に残された道はこれしかねえんだからよ。ここでやるなら俺一人でやってやる! アニキに恩返ししねえとな」
木島一茂
「叔父貴にはわしらをまとめる立場についてもらいたいと思うております。川谷、氷室体制の今の侠和会で、叔父貴はずっと辛酸舐め続けてきたんや、もうこれ以上耐え忍ぶことないんです。ヤクザがヤクザで通していける、正に真の任侠道を貫いていけるところにいるべきお方やと思います、叔父貴は」
日本統一27
氷室蓮司
「信闘会のことを思い出せ、また昨日までの身内と殺し合うような戦争がしてえのか!」
「落ち着いてよく考えろ、会の目的はなんだ? 日本極道会を侠和の代紋一色で染め上げることだろ!」
「バカってことはねえよ、そこは変わらなくていいんじゃねえか。仲間のために熱くなるところはよ」
「前にも言ったが、新団体なんてものは、旗揚げ前にぶっつぶす。侠和会はそんな存在自体、絶対に認めない」
田村悠人
「組み割ってよ、身内とりやがったのは木島たちじゃねえか、もう戦争は始まってんだよ!」
「うちに弓引く以外何の話してるってんだ、ああ?のんきに茶でも飲んで俳句でも詠んでるっていうのかよ! おい!」
川谷雄一
「わしは今回の一件、内部の襟を正す、ええ機会になったと思うとる。膿ができたら、北陸、そして関東の丸神や。いうまでもないが、この戦い、今までにない長く苦しいもんになるやろ。そりゃ並大抵のこととちゃうで、その日がくるまで皆肚の底で力蓄えといてくれや!」
中島勇気
「侠和会の代紋外したら、食うていけんのは枝の若いもんのがよう分かっとることですね」
村上良彰
「……やっぱり大きいな、強い男や。せやけどな、氷室!おまえのその強さがわしみたいな弱い男を追い込むこともあるんやで! わかるか!」
「わしゃあな、わしは、後輩のおまえがわしのあたま飛び越えて、山崎のカシラになった時、もう終わってたんや! おまえのお情けで本部長なんてもんに祀り上げられてよ、哀れなもんやで、ああ哀れなもんや! げんに見てみいや、こうなった時に誰もついてきよらん! 一緒に死のうなんても者は誰もおらん!」
「なんべんでも言う。悪いのはわし一人です! こいつらは組を割るのに、最後の最後まで反対でした! せやから、組に戻して面倒みたってください! 頼んます!」
鶴見憲吾
「棟方や若宮の兄弟がやりあいたくねってのが分かった気がするよ。でもよ、そっちが日本を統一するってなら、やりあわなきゃならねえ時が必ずくる…そん時は遠慮しねえからよ」
奈村志郎
「わしゃな、わしの才覚でここまできたんや。くっ、わしの倅みたいな歳しおって、カタギになれの命の保証はするの、10年早いわい!」
侠尽会発足の言葉(渡部)
「かくの如く、三代目侠和会執行部においては利己主義はなはだしく歴代会長、特に二代目工藤雅信会長の世を冒涜する所業、多々あり、我ら有志一同、任侠道の本分に立ち戻るべく、あらたに侠尽会を発足するものであります」
木島一茂
「ケンカは後手に回ったら、負けやで!」
日本統一28
【親子盃進行の言葉】川谷-清水/木槌/丈治/稜一
「すでに御覚悟も十二分におありでしょうが、任侠の世界は厳しい掟の世界です。時として、たとえ白いものでも、黒と言われれば、その胸の中に全てを飲み込んで、承服せざるをえない厳しい世界です。いかなる修行にも耐え抜いて、一家のため、親分のために、立派な男になる決意がかたまりましたならば、その盃、一気に飲み干し懐中深くお納めください。どうぞ!」
氷室蓮司
「おまえには昔から、苦労のかけ通しだからな」
「これからも山崎組の相談役として、丈治を支えてやってくれ」
「おまえらよ、競い合うのはいいけどよ。兄弟でケンカして親を悲しませるんじゃねえぞ」
「龍さん、俺たちの間で貸しとか借りとかって話はやめましょうよ。俺はただ同じ業界の人間としてスジを通してるだけです」
田村悠人
「渋谷のやつも、こいつ結構セッカチだったからなあ。木島を早く送ってくれって、向こうで首を長くして待ってるよ」
「急所外してやっからよ、渋谷の何倍も苦しんで、苦しみ抜いて死ね」
川谷雄一
「兄弟げんかなんてもんは、親からしたらツライもんや。のう、氷室よ」
「アホみたいに義理堅い奴やからのう。せやけど、そういう男やからこそ、うちに来てほしいんや。あいつ……このまんま、うちと丸神の間に挟まっとったら、つぶれてまうで」
川上章介
「龍征会の氷室って聞いて、色々思い出しちまって」
中島勇気
(泣)「わしも急にいろんなことあって……謙太と渋谷がおらんのが、みんな、もうちょっと長生きして……うぅ……」
馬場伊佐雄
「盃は政治の道具とはちゃうぞ! のう、社長?」
「あんた、わしの子になれるか? わしが死ね言うたら死ねるか? どや?」
「あんたな、極道言うのはな、カタギがオモシロ半分につっこんで、務まるもんやないんで。いつどこで鉄砲玉飛んでくるか、いつムショにぶち込まれるか、分からないで! どないや!」
神山実
「ほやけど、同じ稼業の人間として、親に弓引いて会を割った逆賊は許せん。それに乗っかった喜多越もや、あいつはな、北陸やくざの面汚しや」
「侠和会を割って出た人らのことや、たとえどんな事情があれ、川谷さんが三代目に決まった以上、黙ってついていくのがスジです。親についていけんようなら、足洗うてカタギになりゃあええ」
「はっきり言わせてもらいますわ、どれだけ言い訳しても、組を割って出たら逆賊や、認めることはできん」
海部真一郎
「今日日、銭のないのは我が首がないのと一緒や。こういう時こそ稼ぎ時やないかい」
林
「身体がひっつくくらい近づいて撃て、せやないと当たらん。倒れたら頭ぶち抜くんやど!確実に殺すんや」
沖田学
「やくざ映画じゃないんだからよ、エンコなんか飛ばして、なんか解決すんのかよ? ええ? 樋口先生の秘書によ、会長は言い訳もせず頭下げなさったんだよ。30そこそこの若造に!! どうすんだおまえ?」
日本統一29
氷室蓮司
「龍さん……本気でそう思ってますか? 俺が侠和会に居る限り、丸神の人間に成り切れないんですよ」
「だから、俺は……俺は丸神をぶっつぶします!」
「こんなことは俺が許さねえ」
田村悠人
「もう分かってんだろ、蓮司。この人はよ、死にきたんだよ」
川谷雄一
「あんたとは長い付き合いや。己のケジメは己でつけんかい」
「しかしあれやの、そないなヘンタイが国会議員やっとるなんて、日本の将来大丈夫かよ?」
馬場伊佐雄
「ナンバー3や。いずれ、川谷や氷室を追い落として、4代目なったるでえ! わし、そのために氷室にのっかったんやで。侠尽会のアホども、組割らんぞアホやで。中におったらな、なんぼでも巻き返すチャンスがあるってもんや! ああ、わし日本一の親分になったるでえ」
渡部圭太
「それを火つけたん誰や! おどれやろが! 今更カタギや言うたってな、逃がさへんど、おらああ!」
「笑いにきたんか。ええ気分やろな、ホンマはわしがカシラになるはずやった。三代目かて、わしが継ぐはずやったんや! おどれさえおらなんだら……」
「言うな! わかった! もうそれ以上言わんでくれ。……三代目、迷惑かけた……すまん。親父、、申し訳おまへん」
棟方龍治
「金なんかいらねえよ、ばかやろう!(灰皿振り上げながら)」
「やってください。……それが一番良い」
「…………わかりました。てめえの身の証はてめえでたてます」
海部真一郎
「わしはね、いつまでも一本でいけるとは思ってません。長いもんに巻かれるのが、シマを守るコツや。ほやから、わしゃあこの戦争に勝ったもんと組むつもりでおるんですよ。まあ、この調子だと侠和会、ということになりますわ」
「土産も無しに、助けてくれってないやろ? 今日日の任侠道は金がかかるんや」
日本統一30
氷室蓮司
「俺が行かなきゃいけねえんだよ! 俺が藤代を守られねえと、龍さんに申し訳がたたねえんだよ!」
「ああ、なんだか、いつもと逆だな。俺がおまえになだめられるなんてよ」
「ばっかやろう。正々堂々とやろうと言ったじゃねえか。おまえ、覚えてるか?」
「亡くなった親分(棟方)の決めた通りにしろ、それが筋だ。分かってんな?」
田村悠人
「おまえがマジでブチ切れた時のヤバさは俺が1番よく知ってんだ。横浜いたころ、思い出すよ」
「やっと、いつもの蓮司に戻ってくれたよ、久々にマジでぶちぎれてるから、ドキドキしたじゃねえか」
川谷雄一
「若いもん鍛えあかん時に、うちと丸神の間に挟まって、苦しんだんやろな」
川上章介
「そうだ、カシラがキレたら本当にやべえんだよ。もちろん、田村の兄貴も十二分にやばかったけどな」
中島勇気
「おまえら、カシラに無茶さしたらアカンぞ。いつまでも田村の兄貴に頼るのもアカン。こんな時こそ、わしらが身体はるんや!」
三田太源
「いい男がどんどん先に逝っちまうな」
鶴見憲吾
「信じてるだの、味方だの、口先だけなら、なんとでも言えるよ、そんなことは何もしねえのとおんなじだよ」
若宮猛
ええ、忘れるわけがありません。でも、叔父貴、親父がいない丸神で叔父貴とやりあう気にはどうしても……親父を丸神の跡目にっていう夢が、糸が切れちまった」
「ええ、笑ってください。ヤクザとしての俺はもう終わりです」
音声ファイル日付:2018/05/09
「すでに御覚悟が十二分におありのことでしょうが、任侠の世界は厳しい掟の世界です。時として、たとえ白いものでも黒いと言われてもその胸の中に全てを飲み込んで、承伏せざるをえない厳しい世界です。いかぬ修行にも耐え抜いて、一家のため、親分のために、立派な男となる決意がかたまりましたらその盃を一気に飲み干し、懐中深くお納めください、どうぞ!」