シーズン1 エピソード1:蟲毒
嵯峨 愁二郎
「生き残る気はあるか?」
「ここを出るまでは面倒を見る。俺から離れるな」
香月 双葉
「行きたい。生きて母上を救いたい」
「あの、ありがとうございます!」
柘植 響陣
「なんで本気出さんのや?人斬り刻舟さん」
「気張りいや、応援しとるで」
貫地谷 無骨
「10年ぶりか?ずっと会いたかったよ。ここに来れば会えると思ってた、やろうぜ。人斬り刻舟!」
安藤 神兵衛
「全員、廃刀令違反で逮捕する」
槐
「これから皆様には、心・技・体、全てを競う、遊びをしていただきます」
「ただ、その方法を聞いた者は何があろうとも、この遊びから降りることはできません」
「固いこと言わないでくださいよ。これ、ただの遊びですよ」
「私は参加の意思はすでに確認してましたよ。皆様が、自らこの遊びに参加することをお決めになったんだ。10万円のために」
「手段は問いません。木札を奪い合うのです!」
「この中には動乱の時代を駆け抜けた、武士の生き残りも多くお見受けいたします。しかしその者たちこそが、この金を得る権利があるのです。どうか武士の誇りと強さを、おみせ頂きたい」
「それでは、皆様……東京、いや……あの日消えた江戸にて、お待ち申し上げております」
「良き旅を」
シーズン1 エピソード2:覚醒
嵯峨 愁二郎
「先ほどは助かった、礼を言う」
「掟よりも命のほうが大事だ」
「子供は生き残れない」
「俺が裏切れば、双葉を殺すということか」
「俺にも救いたい家族がいる。……生き残るぞ、双葉」
「ふざけるな、おまえたちはそんなに偉いのか。……無用となった武士になら、何をしてもいいと思っているのか」
「かつての俺だ。……俺は人を斬ることしか知らなかった」
香月 双葉
(回想)「本当にコロリは去るのでしょうか?父上もいなくなって、町でもどんどん人が死んでいって、それでも神様にお祈りするって……」
「こちらこそ助けていただいて、ありがとうございます」
「私が逃げたら、救えない命がある」
「皆が命を全うして、幸せに天に昇っていくことを」
「愁二郎さん。私にはお金が必要です。でも私は弱い、1人では生き残れません。だからお願いです、私を連れてってくれませんか?……できることはなんでもします。たとえ、この先、愁二郎さんが私を斬ることになったとしても、私はやれるかぎりのことをやり抜きたいんです。どうかお願いします」
柘植 響陣
「やる気やったら、正面から来いひんて」
「俺と同盟、組まへんか?」
「せやけど、9人残れるんやったら俺たち3人で組んで東京を目指しても問題はない。どや?悪うない話やろ」
「あんたらは、ほかの参加者たちとは毛色が違う。それにあんたやったら、このお嬢ちゃんがおるかぎり、裏切れへんやろ」
「いわばお嬢ちゃんは人質やな。まあ、いつかはあんたもこのお嬢ちゃんを斬らなあかん時が来るかもしれんけどな」
「あ、それと1つ忠告や。あんたは斬れへんわけやない。斬らへんだけや。人斬りは死ぬまで人斬りや。あんたは斬れる、嵯峨刻舟」
「あ~なんでやろなあ。……見届けたかっただけかもしれんな、武士の終末を」
貫地谷 無骨
「あれから、どう生きてた?」
「お国のやつらも勝手だよなあ、殺せ戦えと言っといて、要らなくなったら刀を捨てろってよ。だから俺はこの遊びを考えたヤツに感謝してるよ。もう一度、あの頃に戻れる。遠慮なく戻ろうじゃねえか、なあ。抜けよ!」
「いいねえ、それでこそ人斬り刻舟だ」
「あんたがあの有名な公家の守り神か」
「ウワサで聞いたよ、かわいそうだよな、あんなに仕えた主人にあっさり見限られるなんてよ。あんたも俺も同じってわけだ」
「遊ぼうぜ」
「あ~足んねえ、足んねえ」
菊臣 右京
「外道。参加者以外に手を出すな」
「黙れ、おまえのようなゲスと一緒にするな」
「そろそろいいか?私はおまえなどと、戦っている暇はないのだ」
(回想)「わが菊臣家は体を張り、何度もあなた方、公家の命を守ってきた。それがこの仕打ちか」
(回想)「皆の思いは、よく分かった。菊臣家は私が必ず再興させる」
弥兵衛
「嵯峨様には、返しきれへんほどのご恩がありますから」
「刻舟様のその刀が、時代を切り開いてくれたおかげで、うちらみたいな町人が安泰に生きてこれました。感謝してもしきれません」
「お二人ともご武運を」
双葉の母
「この世で起こるすべては、神様のお計らい。だからこそ、私たちは祈ることしかできないのです。どんな争いも疫病も、祈り続ければきっと神様は私たちを守ってくださります。信じましょう」
シーズン1 エピソード3:宿命
嵯峨 愁二郎
「ここからは峠だ。ここを抜けないと関宿にはたどり着けない。多くの参加者がいるだろう、離れるな」
「彩八。よせ!俺は妹と戦いたくない」
「俺をどうしても殺したければ、東京までたどり着け」
「俺はおまえを信用はしない。だが、生き残る確率を上げるためにここに来た。……『こどく』の意味は知ってるか?」
「壺の中に100の虫を入れ、殺し合いをさせる。勝ち残った1匹だけが神となり、すべてを屠る力を得る」
「かつて、俺と彩八は、壺の中の虫だった」
「俺には救わなければならない人がいる。だが、このままヤツらの好きにさせる気もない」
「天龍寺で出会い、共に旅をしている。それだけだ」
「すまなかった」
「俺はあの時逃げた。そのせいで、おまえたちを苦しめた責任から逃げるつもりはない。だが、生きておまえと再会できたことをうれしく思っている」
香月 双葉
「あ、あの!ありがとうございました。あなたの名前は?」
柘植 響陣
「来ると思たわ。さすが歴戦の猛者、生き残る嗅覚がある」
「俺は策士や言うたやろ。鈴鹿峠は難所や、戦えへんお嬢ちゃん連れて、えらい目に遭うたやろ。もうそろそろ、同盟組みたなるんちゃうかな、思うてな」
「黙りません、響陣です」
「二度目かい。あんたらの人生、相当おもろいな。まあ、いずれにせよ、これがその『蟲毒』なら、最後に生き残れるんは、1人だけっちゅうことや。あんたら共に進んだ者を、殺す覚悟はあるか?」
「やっぱ、あんたに声掛けたんは正解やったわ。同盟成立やな、嵯峨刻舟」
「握手いうてな、手と手を握るんや。『手に何も持っておらへん、あんたのこと信用しますよ』って。異国の挨拶や」
衣笠 彩八
(回想)「愁兄、……どうすればいいの?」
「ずっと待ってたよ、嵯峨愁二郎」
「ふざけるな!おまえのせいで、私たちがどうなったと思っている。置いていかれた兄弟の気持ちがおまえに分かるか?山を下りて、死んだように生きてきた私の気持ちが」
「自分の身は自分で守れ。死にたくなければ」
「待て、私も一緒にいく。…………おまえにはまだやるべきことがある、勝手に逃げるな」
「あの子が生き残れると思ってるの?…………私たちを見捨てたのに、今更罪滅ぼしか」
カムイコチャ
「我らは一族は、子を殺めることを悪の最たるものと考えている。子を守る者を敬いこそすれ、戦う気はない」
「カムイコチャ。子といるかぎり、おまえは狙わぬ」
橡
「そちらもお答えできません。ですが、嵯峨様と衣笠様であれば、『蟲毒』とは何か、よくご存知かと」
「虫が3つ。…………それでは良き旅を」
京八流の師
「おまえたちは10年近く、共に厳しい修行に耐えてきた。だがそれも今日で終わりだ。京八流は、一子相伝。継承者の席は1つだけ。殺し合え!明日太陽が真南になったときに開始だ。皆兄弟であることは忘れろ。逃げ出すことは許されぬ」
シーズン1 エピソード4:黒幕
嵯峨 愁二郎
「おまえはあの時、死んだはずだ」
香月 双葉
「さっきはありがとうございました。彩八さんは何歳から修行をしてきたのですか?」
「どうしたら、彩八さんのように強くなれますか?」
狭山 進之介
「殺してないんです、全然全く!天龍寺だって、落ちてた札をたまたま拾って、……ウソじゃないんです!この人にだって脅されて『命だけは助けてやるから』って。……家が貧乏で、父の商売の助けになりたくて、参加したんです。それなのに……殺し合いなんて、僕には無理でした、お願いします!どうか…どうか、命だけは!!」
祇園 三助
「これに幻刀斎をおびき出して、俺たちの手で殺す。兄弟全員でかからなければ、幻刀斎は殺せない。彩八、これは俺たち兄弟の宿命だ」
衣笠 彩八
「京八流の兄弟は、みな捨て子だ。自分の年は知らない」
「私は幼く、一番弱かった」
「ならなくていいし、なる必要もない。いくら刀が強くても、幸せにはなれない」
カムイコチャ
「これは神に供物を捧げる道具だ、一緒にするな」
貫地谷 無骨
「弓ねえ、遠くからピュンピュンピュンピュン、なにが面白えんだか。銃と一緒じゃねえか」
「何が神だ。くだらねえ」
「神がいたら、こんな世の中にはなってねえだろ」
櫻
「時代は変わった。武士に生きる場所はない。戦争のあと、散々な目に遭っただろう?貫地谷無骨」
「ネズミが紛れ込んだようですね」
「逃げられると思っているのですか?さあ、早く出てきてください…………嵯峨刻舟」
「人生は分からないものですね。あなたはずっと、私の憧れだった」
「旧知の2人がそろえば、酒を酌み交わすか、殺し合うか。二つに一つ」
川路 利良
「亡霊退治は国家の一大事業。失敗の許されぬ大義。その使命を、我々で果たそうじゃないですか、…………この国の未来のために」
シーズン1 エピソード5:亡霊
嵯峨 愁二郎
「何かのせいではない、そういう時代になっただけのこと」
「そして最後の1人になったとしても、生きて帰れる保証はない。…………だがそれでも、このまま進む」
「俺たちが生き延びるだけでも、必死なんだ」
「いや、双葉の言うとおりだ。すべてを救うのは無理だ。だが目の前の人間を見捨てては、妻に合わせる顔がない」
「最後の9人に残れば、生き残る可能性があると」
「味方ではないが好意を抱いているのかもな。俺たちではなく、双葉に」
「この蟲毒に希望が持てた。双葉、おまえのおかげだ」
香月 双葉
「私は行きます」
「それでも私は強くなりたいんです。もう、これ以上、皆さんの足を引っ張りたくない」
「ダメです!進之介を助けて!」
「この先、何が起こるか分かりません。私も死ぬかもしれません。でも、目の前にある命を見捨てたら、生き残ったとしても、残してきた母上たちに胸を張れないんです」
「ほかに生きる道が見つかるかもしれない」
「愁二郎さん、ごめんなさい。愁二郎さんがいなかったらここまで来れなかったのに」
柘植 響陣
「銀行だけやとも限らへんで。銀行を仕切っとる財閥がつながっとる可能性がある。そう考えると、すべてが腑に落ちる。参加者を監視して、死体が上がったら警視局がそれを処理して、それにかかる莫大な費用は財閥が手配をする」
「だがな、確実に1つだけ言えることがある。蟲毒は単純に勝ち残ったヤツに、10万円を渡す遊びやない。東京にたどり着いたとしても、必ず何かある。最後の1人として残るために、殺し合いをする可能性があるっちゅうことや」
「お嬢ちゃんのためを思うんなら、考えたほうがええんちゃうか」
「あいつは立派な大人や。大人が選んでここに来た。自分の命は自分で責任を取るべきや」
「しゃあないな、ったく」
「それに双葉、お手柄や!」
「案外、蟲毒の鍵を握っとるのは双葉かもしれへんな」
「あんたら、兄弟の危機に興味ある?」
衣笠彩八
「刀だけが強さじゃない。今のおまえは弱い。女であり、子供だ。でも『今は』だ。自分にしかない強さを見つけるしかない」
狭山進之介
「双葉さん、ありがとう」
「双葉さん、……ありがとうございます!!あ、ありがとうございます、ありがとうございます、ありがとうございます!!」
橡
「結局は命を先延ばしにするだけです。狭山様の実力では、生き残る可能性がある9名には入れません」
「良き旅を」
櫻
「銃が憎いですか?私たち武士を亡き者として葬った」
「あなたたちに幸せな未来はありません」
「東京で会いましょう」
川路 利良
「亡霊。古びた特権階級と、刀にしがみつき、おごり高ぶり、敗北を認めず。力なき者から奪い、尊厳を失ったとわめき、反乱を起こす阿呆ども」
「新しい時代に最もふさわしくない者ども」
「亡霊は滅亡させなければならない」
「蟲毒のおもしろさは、まだまだこれからです。最後に至るまで、数々の余興をご用意しております。皆様、亡霊どもの滅亡を楽しもうじゃないですか」
「報告によると、面白い参加者たちが嵯峨刻舟の近くに集まってきているようです。亡霊同士、蟲毒の壺の中で、殺し合ってもらおうじゃないですか」
シーズン1 エピソード6:死闘
嵯峨 愁二郎
(回想)「刀の時代はもう終わる。俺たち人斬りは用無しだ」
(回想)「もう終わったんだ」
「すべてをなげうってでも、守りたいもの。人を斬ること以外の生き方を教えてくれた」
「おまえは欲望のまま殺してるだけだ」
「幸せだったさ」
「これは偶然じゃない、蟲毒が関わってる」
香月 双葉
「やめて! なぜ罪のない人を殺すのですか?そんなの武士じゃない!」
柘植 響陣
「自分でも分からんようになってきたわ」
「進之介くん。世の中にな、知らんほうがええこともあるんやで。……せっかくやし、楽しもうや。この蟲毒っちゅう遊びを」
「なんや、殺せへんかったんか。せっかく場所を教えたったのに」
衣笠彩八
「そんな顔するようになったんだ。…………子を見つめる父親の顔」
「ほんとの家族って、どういうもの?」
「私は、こんな毎日が続くなら、継承戦で死んでしまえばよかったと、何度も思った」
「その程度じゃ、うちの兄弟たちには勝てないよ」
「もしあの時、継承戦があったら私は死んでいた。愁兄が逃げてくれたから、……私は今も生きている。でも幻刀斎を倒さないかぎり、私たちは前に進めない。……兄弟全員で、幻刀斎を倒そう。あいつは、兄弟がそろわないと勝てない」
貫地谷無骨
(回想)「殺ろうぜ」
(回想)「あっという間だよなあ。鉄砲だの大砲だの使いやがってよ、な?これで終わりだぜ? フッ、殺した感覚もねえ。きれいな武器なこった」
(回想)「だからって、本質が変わるわけじゃねえ。俺たちはずっと人斬りのままだ。おまえの殺し様、良かったぜ。俺にも見せてくれよ」
(回想)「殺せよ。ここで殺さなかったら、一生おまえのこと、追いかけるぜ」
(回想)「また会おうな! 人斬り刻舟!」
(回想)「死んでたさ、ずっと」
「やっぱり、おまえとの殺し合いは最高だな」
「くだらねえよ、全部くだらねえ! くだらねえもん全部ぶっ壊してやるよ!」
「じゃあなんだ、武士って。…………教えてくれよ、お嬢ちゃん」
「こいつ殺したら、やる気になりそうだな」
「諦めろってよ。諦めた結果が今の俺たちだろ。刀取り上げられて、どうだった? おまえは幸せだったか?」
「結局、人を斬ることでしか自分を証明できねえ。人1人救うこともできねえ、違うか? 武士の時代は終わった?そんなの知ったことか。んなもん、もう一度作ればいいだけだ!」
「人斬り刻舟…………俺は、幸せだよ」
岡部 幻刀斎
「今のはよかった。だが、もう終わりだ。何か言い残すことは?」
「安心しろ、もうすぐ全て滅びる」
櫻
(回想)「もう一度、おまえに武士として生きる機会をやろう」
「その代わりに川路殿より伝言です。『さようなら』」
大久保 利通
(回想)「刀を取り上げよ、それ以上は許さん」
(回想)「必要以上な制圧は、新たな蜂起を生むだけだ」
(回想)「武力に武力で対抗してどうする!ここから日本が国として強くなるために、必要なものはなんだ?……民衆だ!」
(回想)「武力で民意は得られない!そんなことも分からんのか!」
(回想)「士族は不要になる。だが、共に生きる道を見つけねば、この国に未来はない」
川路 利良
(回想)「大久保卿、お願いします。今回の戦で士族を滅ぼさなければ、彼らは必ず新しい時代に牙をむきます。警察に銃の帯同の許可をください」
(回想)「幕末の京都を思い出してください。刀を握った士族の暗殺によって、何人の同志が散っていったか!強者の士族が我々の暗殺を企てれば、止めるすべはありません。これからの日本を守るため銃が必要なのです!」
(回想)「その民衆を守るためだ!」
(回想)「私は諦めません」
「また1人亡霊が消えただけのこと。私たちにとっては喜ばしいことです」
「殺し合え、最後の1人まで」


