ヘルドッグス
兼高昭吾
「ヤクザの闇営業は、正義の味方……ですか?」
「引退はしませんよ。生きている限り、支援すると決めた家族がいる」
「俺は、おまえと同じ 地獄の犬だ」
「俺たちさ、お友達になれたよね。実はね、銃を隠し持ってるんだ」
「俺はたぶん、噛みつくことしか能のない狂犬です。生まれてからずっとそんな具合だったみたいです。それに」
「アフリカゾウが好きなんです」
「お前はおれにとって、森の王だった。森を治むる祭司。殺さんと企てしものを殺し、いずれ自らも殺されん」
「おまえがいるから、ここまで来れたよ」
「一人じゃ無理だったよ」
「マッドドッグで始まって、ヘルドッグで終わり」
室岡秀喜
「先代会長が喫煙タイムでとられて以来、東鞘会神津組はヘルシー志向なんだよ。俺らの前で、タバコふかすんじゃねえよ」
「腹減ったって言うほうが人間っぽいじゃないっすか」
「人間は誰かに必要とされてないとどんどん落ちていくよね」
「視神経を指ではじくよ、ルカちゃん」
「11年間犯人追っかけて、殺して稼いだ金を遺族に分配っすよ。カッけえっすよ」
「兄貴思いの舎弟からの体を張った助言をします。親父がやって見せたのと同じような」
「俺らの汚れ仕事のおかげだろ?てめえらが安心して金儲けに励めるのはな!」
「普通にキレちまったんだよ。いっそ薬でもやってんのかって思いたいけど、親のことがチラついてさ。三神は親父の若い頃にそっくりだし」
「生まれた時からずっと悪い夢を見てたんだ。でも、アニキとならずっとうまくやっていけるはずだったんだよ」
「敵、取るっきゃないよね。別に好きじゃないよ、好きじゃないけど、死の接吻」
「よく分かんねえけど、かっけえ感じ」
「俺とこの女と、どっちが大事なんだよ!」
十朱義孝
「さあ、戦え! お前たちは俺の盾になって銃撃を受けた。敵の襲撃は続いている。でれっと伸びてるんじゃねぇよ! やれよ、やれよ!!」
「俺は『死刑がやむをえないとまでは言えない』と言う裁判官を裁きたくなる」
「ここで誰かが締めてくれなきゃ、熊沢に合わせる顔がねえ。もう1発もらおうか」
「よせ、今どきエンコづめなんてはやらねえ」
「俺からも言っておく、土岐はおまえらを代表して俺に落とし前をつける機会をくれた。命を張ったんだ、感謝してる」
「サツに狙い撃ちされた東鞘会がてんやわんやになった時、三羽ガラスに自分の正体を打ち明けて、本庁とFBIを同時に出し抜く方法を提示した。『意気に感ず』ってやつだな。3人は即決で俺を神輿として担ぐことに決めた。その感覚だよ、欺瞞に満ちた警察組織に欠けていた感覚は」
「犬をやめろ。自分を解き放て。俺とおまえが組めば、世界を牛耳るのも難しくはない。闇の奥は深いぞ」
熊沢伸雄
「おまえの頭がおかしくならんうちに言っておく。知ってることを全部吐けば命は助ける。だんまりを続けるなら、痛みを与え続ける。最終的に、このイケメンやっちゃんが、目玉にドライバーを差し込んでほじくり出す」
「自分の視神経が震える音ってのは、悲しいラ・ムジカだよな」
土岐勉
「俺が散髪タイム。どれだけ大事にしてるか分かってんだろ。バーバーチェアだけでレクサス1台分の金かけてんだよ」
「『嫌な予感がするんだよ』そう言ったら俺は外された。俺の代わりだと思って…な、頼む」
「熊沢信雄は謎の失踪を遂げ、東鞘会を破門になる。汚名をしょい込んだまま冥土への旅立ちだ。金に無頓着だったからろくな財産も貯金もない。いつ死んでも悔いが残らんよう子供も作らなかった」
「あなたが立場を忘れて出しゃばったせいで熊が死んだ。そのこと自覚してらっしゃいますか?」
「こっちはこっちでケジメつけなきゃ、道理が通りませんよ」
「兼高はおめえの男だろうが!とっくに分かってんだよ。兼高が大事だから、おめえは命拾いしてんだろ」
大前田忠治
「うろたえるな、三神。親の土手っ腹を突いた不届き者へのけじめだ。文句のあるやつは俺が相手だ」
三神國也
「ヤクザがお巡り、リスペクトしてどうすんだ?」
「兼高がサツの犬かもしれねえんだよ。お前と俺で東鞘会守んだよ! 兼高が入ってくるまで俺たちうまくやってたじゃねえかよ!」
「そうだよな?死の接吻だよな?口にやるんだよ。 キスオブデス!」
吉佐恵美裏
「密猟がはびこる限りアフリカゾウは、確実に死に絶える」
タンザニアの自然保護区、密猟対策チームにいたよ。獣医学部を卒業したばかりで、ヤクザの娘で、日本人。『日本市場は象牙の密輸や違法取引に関与していない』と言い続ける。日本政府の欺瞞にヘドが出た」
「だから私はヤクザの象牙ロンダリングを潰すと決めた」
阿内将
「元警察官で、ここまで道を外れた人間はいない。おまえは都合のいい男だ、兼高昭吾」
衣笠典子
「肩も尻も足も全部、右がパンパン。ヤクザは大抵、肝臓痛めるね」
「私はあんたと同じ。生き残った者の掟を生きてるの。……息子が東鞘会に殺されたからね」
「所詮は人の営みだから、必ずほころびがあるよね」
「自分の生涯を美化したい。そういう美的衝動だけで、十分死ぬことのできる時代に生きてるの」
「違いますよ。東鞘会は男の絆だけ、あの子は男女平等。もんでるとね、そういうことも腕に伝わってくるんです」
「息子の叫びがね、この両腕、伝わって今も聞こえるんですよ」
近日予定


