| 艦これ(アニメ) | |
| 1~12/劇場版 | いつかあの海で |
第1話 出撃の日
時雨
「山城、みんな、お茶にしない?みかん、持ってきたんだ」
「沈まない、必ず帰ってくる」
「そうか、僕たちが囮となってその間に主力部隊が敵をやっつけるんだね」
「瑞雲はとても良い機体だよ。僕には搭載できないけど」
「止まない雨は……ない!」
最上
「瑞雲? かわいい、やったぁ~」
「ありがとう、山城!さすがは僕らの旗艦」
山城
「姉さま。こういうのは最初が肝心なんです!駆逐艦ごときに、なめられるわけにはいきません!私はこの部隊の旗艦です。姉さまへの責任もあります、そもそも艦隊が今が一体どういう時か分かってるの?!」
「それはね、私たちが本当は囮だから。いい?時雨、私たち、1YB3Hはね、全滅覚悟の寄せ集めの半端モンの囮艦隊なのよ!」
「けれど、そんなことはさせない!姉さま、安心して、私旗艦として、提督とできるだけの準備をする。大丈夫、私たちの提督なら、ずっと共にいたのだから。他のやつらに半端モンなんて言わせるものか、絶対!私たち、二戦隊は!」
「そう、私たち1YB3Hは……」
「私たちが囮となって、海峡に突入して敵の水上部隊をひきつけて、その隙に進行中の敵情陸部隊を叩く。私たちの主力ってわけ」
「時雨、姉さまを守ってね」
「時雨、みんなを姉さまを守ってね。……私がいなくなっても」
「1530。我が艦隊はスリガオ海峡を抜けて、レイテ方面に進撃。すでに進発した第一遊撃部隊主力部隊のレイテ湾突入、及び敵進行部隊の撃滅を援護する!第一遊撃部隊第三部隊、抜錨!」
扶桑
「時雨、さっきはありがとう。山城を助けてくれて」
「この作戦、きっと私たち1YB3Hの最初で、そして最後の作戦」
「時雨、敵は、敵は強大よ。みんなを山城を守ってあげてね」
「第一遊撃部隊第三部隊よ、山城」
第2話 海峡へ
時雨
「敵勢!潜望鏡、165度方向!」
「こんなところでやらせない!」
最上
「第一偵察機、発艦準備完了。 頼んだよ」
「意見具申、続けて第二偵察誘導機、二号計画に基づき、発進許可されたし」
「最上より旗艦山城。……瑞雲、第一偵察機より敵情入電、スリガオ海峡に敵魚雷艇軍十数隻を発見、さらに同全面にも敵魚雷を認む」
「瑞雲、第一偵察機より敵情偵察情報続報。我、レイテ湾上空に到達、敵進行艦隊の触接に成功せり。レイテ湾敵情、輸送船80、戦艦4、巡洋艦多数、さらに駆逐艦多数を認む」
「ぼくが、やらせないよ!」
「衝突注意、じゃなかった。爆撃注意、だね!」
「最後の出撃になる、かな?」
山城
「旗艦より最上。偵察機発進されたし。我が艦隊進路、及びレイテ湾敵情の偵察を求む」
「上等ね、予想通りの大舞台」
「各艦!対空、対戦警戒を厳とせよ!」
「ここはもう戦場っていうわけね、上等だわ。各艦!対空戦闘用意!敵船にも十分注意せよ!」
「対空戦闘用意、三式弾装填。準備よし」
「第三部隊、最上及び第四駆逐隊を先行分離。日没とともに、同先行隊はスリガオ海峡ぜんえん部に進撃。敵魚雷軍の殲滅と第三部隊の本体の前路掃討を命じます」
「時雨、あんたは私たち本体の直衛よ。ちゃんと姉さまを守んなさいよ」
「時雨、もし私たちが沈んでも、いえ、戦うことができなくなっても……いいえ、なんでもないわ」
扶桑
「扶桑型はこんなことでは、ビクともしないわ。ほんとよ」
「時雨はちゃんと守ってくれたわ、そして私たちも、いえ私たちがみんなを守るのよ。……未来に伝えるために」
「ありがとう、時雨。お願いね」
山雲
「やっぱりこの距離だと機銃よね~」
満潮
「20度方向に敵機!敵編隊!」
「左舷、数3、4、5、多数接近中!」
「もう、私がいない間に全滅とかやめてよね」
「あとで、たっぷり利子をつけて返してくれればいいわ」
第3話 海峡夜戦
時雨
「みんな、右舷前方に敵大型駆逐艦!」
「敵艦反転注意、魚雷発射のもよう!」
最上
「僕ら、丸見えみたいだ」
「こっちもだ。11時方向」
山城
「艦隊、陣形を再構成する。進路そのまま!」
「旗艦山城は先頭、姉さまは私の後ろを。第四駆逐隊及び時雨はその右舷を守って、最上は左舷をお願い」
「各艦砲、雷撃戦!」
「進むしか、ない!……艦隊、前進します、前へ!前へ!!」
「いい?私が突入する、援護しなさい」
「沈めええ!!!」
扶桑
「大丈夫よ、山城」
「私は大丈夫。扶桑型はこんなことでは沈みはしないわ、進みましょう」
満潮
「左舷、敵魚雷艇多数!急速接近中!」
「右舷前方、大型駆逐艦多数!」
「バカね、私たち。その先は……」
足柄
「だいぶ大変な状況ね。でも平気よ、戦闘が、勝利が私を呼んでいるわ」
「激しいのね、お返しよ」
那智
「待たせたな。第二遊撃部隊、推参!全軍突撃せよ」
阿武隈
「一水戦、戦場海域に到達。さあみんなお仕事です、かかって」
「あたしの言うこと、聞いてください~~」
大和
「第一遊撃部隊第一部隊、旗艦大和。戦場海域に到達、これより友軍を援護する」
第4話 佐世保
時雨
「そうか、僕は戻ってきたんだ」
「最上、君は無事だったんだ。良かった」
「時雨。第二水雷戦隊配属を拝命します」
最上
「当たり前だよ、今度は衝突、しなかったからね」
「作戦は、小一号作戦は戦術的には見事成功したんだ。僕らの艦隊は、もうボロボロだったけど、鎮守府に戻って来れたんだ。奇跡、かな」
山城
「もう戦えない身体だけどね」
「あんた、やっと起きたの?お寝坊さんね」
「そうよ、除隊するのよ。仕方ないじゃない、もう艦娘として戦う力は残ってないの。満潮たち四駆も一足早く復員したわ。彼女たちも艤装は着けられなかったし、ぜひもなし。これで第一遊撃部隊第三部隊は解体よ」
「まあ、あの海峡から帰って来られただけでも僥倖。御の字よ」
「あとは、あんたたちしっかりやんなさいよ」
「どうしたの、佐世保の時雨でしょ。しっかりなさいな」
「時雨、そうじゃないわ。私も幸せなの。これからは姉さまと、そうずっと一緒なのだから」
扶桑
「何も言わないで、提督。私は幸せよ」
「山城ともどもあの海峡から、そう戻って来られたのですから。ね、山城」
「提督を、艦隊をお願いね」
雪風
「あたし、呉の雪風!」
矢矧
「阿賀野型軽巡洋艦矢矧。二水戦、この矢矧が預かります」
提督
「敵深海棲艦、その進行部隊はレイテ決戦において大打撃をこうむった。敵の進行計画は大きく狂ったはずだ。しかし、この戦果を成し遂げる代わりに作戦に参加した各鎮守府の艦隊、そして我が艦隊も甚大の損害を受けた。戦艦扶桑山城、そして随伴の四駆もかろうじて帰投をはたしたが、もう艦娘として戦うことはできない」
「第一遊撃部隊第三部隊は事実上壊滅だ、解体となる」
「敵は進行部隊主力を失ったとはいえ、その機動部隊、そして潜水艦隊などは健在だ。我らの艦隊も前線から後退した今、海上輸送路はがら空き、丸裸の危険な状態だ」
「駆逐艦時雨、本日付けをもって第二水雷戦隊配属を命じる」
第5話 二水戦
時雨
「わからない、でも今は前に進むしかないかなって。僕は、……僕は、僕は忘れない。山城のこと、みんなのこと、僕は覚えている。一瞬も忘れないよ、そして自分が今できることで繋いでいく」
浜風
「でも、せめて覚えていてほしい」
磯風
「いつ戦いの中で、誰にも看取られず海の底へ沈んでしまうかもしれない」
「ああ、そうだな。今ここにいたことを、精いっぱいやったことをな。そして、次代に繋いでいってくれたら、いつ倒れても、それなら本望だ」
雪風
「雪風は沈まないよ」
「雪風は沈みましぇん!」
「時雨、幸運の女神のキス、いる?」
「はい、幸運のキス。じゃあね~がんばろうね~」
「空、危ないよ」
「演習爆雷、撃ち方用意!いっちゃえ~」
矢矧
「我々に残された時間はそう多くはない。先の作戦で進行は一旦頓挫はしたが、敵は必ずや早期に戦力を補充、再建して遠からず、南西諸島、最終的にはここ本土に至る海域への進行を開始するだろう。また、先の作戦で我々、そして各鎮守府の艦隊も多くの主力艦隊、戦力を消失した。だが、我が第二水雷戦隊はここに健在だ」
「名二水戦旗艦、神通。そして能代ねえ。彼女たちの想いを、力を、我々が繋いでいく。もちろんその練度もだ!」
「栄光ではない。精鋭たる我ら二水戦の守るものは、静かな海。そしてこの地で生きる人々の生命、暮らし、全てだ」
「我々がこうしている間も、海防艦を中心とした海上護衛隊が海上輸送航路の維持と、兵站輸送に務めている」
「提督は言っただろう、敵は水上ばかりでは無いと」
大淀
「清霜、轟沈判定。機関停止」
「初霜、小破。響、中破判定」
「浜風、大破判定。磯風、中破判定」
「対抗部隊、潜水部隊、制圧判定」
最上
「大変な目にあったのに、僕もなんだかすごい幸運なんじゃないかって思ってるんだ。なぜだろう」
提督
「そのためには、艦隊の練度。そして君たちがそれを十分に発揮するための、十分な兵站が大切だ」
第6話 暗雲
時雨
「第二水雷戦隊時雨、磯風、浜風、雪風とともに龍鳳の随伴護衛、実施します」
「くるよ。敵の無線探知、平文みたいだ、複数!」
「時雨。敵戦一隻、制圧を認む」
「(沈むの?……僕)」
「止まない……雨はないさ」
「雨が、上がったね」
龍鳳
「時雨、よろしくね」
磯風
「くるぞ。艦隊、バリカン運動開始。二水戦対戦戦闘、用意!水面水中、警戒を厳に!」
「二水戦、各個に対戦戦闘開始!」
「磯風。一隻撃沈確実」
浜風
「磯風! 逆探に艦あり!敵潜水艦の捜索レーダー波と思われます」
雪風
「雪風はいつも元気でぇす」
矢矧
「やむをえない、龍鳳の護衛は磯風、浜風、時雨の駆逐艦3杯で実施する。……予備戦力はない、戦況は窮を有する。なに、ただの駆逐艦3杯ではない。二水戦の歴戦駆逐艦の3隻だ」
「明朝0800、龍鳳の随伴護衛として二水戦駆逐艦各艦抜錨せよ。龍鳳の台湾への輸送作戦を完遂後、各艦はそのまま現地で非船団に合流。非船団の護衛、守りにつけ」
「海上護衛はもはや前線と同じくらい重要だ。艦隊型駆逐艦もフルで活用する以外、活路はない。海上護衛でも我ら二水戦の矜持を見せろ、頼むぞ」
大淀
「北号作戦、艦部隊全艦抜錨!目的地は昭南、シンガポール」
提督
「二水戦時雨。そして磯風、浜風、雪風に龍鳳の輸送作戦の護衛を命じる」
第7話 海上遊撃戦
時雨
「僕も、雪や最上と一緒にいきたかったなあ」
「いってきます」
「僕が、行くよ」
「提督、矢矧。ありがとう。……二水戦の海上遊撃戦、次は僕が出撃する」
「でも、僕は第二水雷戦隊所属。白露型駆逐艦、時雨だから、行くよ」
最上
「遊撃部隊付属、改装航空巡洋艦最上、抜錨するよ。……出撃!」
「夜間索敵機、発艦はじめ!」
磯風
「二水戦、17駆出撃!」
「左舷前方より、護衛。敵駆逐艦、複数!」
矢矧
「この敵進行部隊を掩護する強力な敵、機動部隊が、進行部隊に先行して3群に別れて接近中だ」
「わが二水戦で、海上遊撃作戦を敢行する」
「目標はこれだ。わが第二水雷戦隊はその全力をもって出撃。高速機動と夜を利用して、この敵機動部隊の後方、補給兵站部隊を補足、攻撃。可能なら反復出撃によって、これを殲滅する」
「我々は二水戦だ。死ににいくのではない、次に繋ぐためにゆくのだ」
「出撃は明日夕刻1600。各自、出撃準備、解散!」
「遊撃部隊第二水雷戦隊、抜錨、出撃する」
「対戦警戒を厳に。私が先頭、艦隊。最上を中心に輪形陣!」
「速度を落とすな。未明に会敵、突入する」
「全艦突撃、続けえ!」
「提督。遊撃部隊第二水雷戦隊、海上遊撃戦からただいま帰投」
「戦果報告。敵補給輸送船ヲ級、撃沈3、撃破2、敵駆逐艦4隻撃沈確実、撃破手数。我がほう損害。駆逐艦浜風、中破。同涼月、小破。最上航空隊、未帰還機5」
「敵は混乱しています。涼月の緊急修理と最上艦載機の補充が完了次第、ただちに反復出撃します」
大淀
「北号作戦、無事成功して、本当によかった」
利根
「今のうちに食べておけ。食べられるうちに、最後の戦は近いぞ」
北上
「北号作戦の連中が戻ってきて、枯渇しつつある燃料がこの呉に補給されれば、……呉は大和を、出すんだね」
伊203
「生まれてきたからには、私もいきたい」
提督
「残念だが、我が全現有戦力をもってしても、精鋭二水戦をもってしても、この敵に真っ向からぶつかるのは、完全な…自殺行為だ。だが伊勢日向大淀らの艦部隊が北号作戦を文字通り完遂してくれた、呉に帰投した彼らが南方から輸送してくれた戦略物資。特に貴重な燃料を呉の艦隊に補給して、呉から大和。そして現在稼働可能な空母、龍鳳。連絡で呉に派遣した響と初霜。さらに休息なくて申し訳ないが、四航戦と大淀たち。さらに道中護衛でげんはなく。」
「時雨、過去は変えられない。……だが、その過去をまっすぐ見据えることで、未来を変えることは可能だ。……時雨、第三改装時雨改三、いいな?」
第8話 いつかあの海で
時雨
「僕はここにいて、いいのかな?……僕は、提督と皆と会えてよかった」
「僕はできることを精いっぱい、やるよ。見ていて」
「だから、だから、きっと覚えていて。…………そして、行ってきます」
「待ってて」
「いつか、いつか、きっと、会おうね。今度は静かで青い、……そう、いつか、あの海で。あなたと」
最上
「機動部隊、攻撃隊、敵機動部隊に突入。敵、数隻を炎上せしめたり」
「続報、ただし味方機未帰還機多数。残存全機による第二次攻撃隊発進!敵艦載機大編隊、当方へ接近中。諸艦隊の健闘を祈る」
「最上隊、発艦!」
「衝突、注意……」
磯風
「その後余力あらば反転、敵主力を撃つ、でいいのだな?」
矢矧
「我々第二水雷戦隊は、最後の第二艦隊大和、最上とともに第一遊撃部隊を編成、我々第一遊撃部隊は真一文字に!」
「大和、最上、そして我が二水戦は真一文字に敵の後背を突き、警戒線を突破、敵輸送船団及び後方補給部隊を強襲、これを撃滅する」
「二水戦、魚雷用意!」
「二水戦、各個に撃滅せよ!」
「この夜戦で、敵本陣をつく。機動部隊本陣をやるぞ」
「最後の突撃になる、二水戦」
初霜
「霞さんと、朝霜さんは私が、助けます!」
「時雨さん、行ってください」
大和
「これより、大和が航空打撃戦の指揮を執ります。第一遊撃部隊、艦載機、発艦!」
「薄暮攻撃を敢行します、矢矧機は進路前方の哨戒を攻撃、最上隊と大和隊は護衛空母軍の甲板を狙って」
「砲戦、雷撃戦、用意!」
大淀
「最後の機動部隊です。稼働可能な空母と四航戦、榛名、大淀以下の我が機動部隊は機をみて、敵艦隊への陽動攻撃をかけつつ、敵戦力の北方誘引を図ります」
青葉
「榛名行って。大淀、四航戦と一緒に佐世保に!」
利根
「そうじゃ。ここはわしらと三四三でなんとかするのじゃ!」
「三四三空が支えてる時間も長くはないぞ。榛名は今のうちに呉を脱出して、先行した四航戦に追いつくのじゃ!」
「残存艦隊は佐世保に集結、そこで大和や二水戦と合流して、最後の作戦じゃ」
「見てるか、筑摩ーー!」
提督
「鍛えてきた練度と兵装は今この時のためにある。みんな厳しい戦いを、これまでよく戦ってくれた!心から感謝している。そして、信じている、未来を!帰ってきてくれ、頼むぞ!」


