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名言・名セリフ

アニメ【日本三國】声に出して言いたい名言・名セリフ!

日本三國‗名言名セリフ 名言・名セリフ

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第7話 金沢夜襲

三角青輝

「じゃけど、聖夷軍の侵攻からまだ5日。なぜこんなにも早く戦局の話が広まり、示威運動が盛んになっとるのか。どうもわしには腑に落ちません」

 

阿佐馬芳経

「物騒、物騒。もう都内でも戦争ムード一色かいな。せやけど、もし私が従軍してたら今頃ツネちゃんさんコールが響いてたんちゃうか。なあ、三角くん」

「(この七三、私を無視しよった)」

 

龍門光英

「そうやって奥越への増援を出し渋った結果が先の戦や。各拠点を各々で守備せんとする補償戦的防衛戦術は領土すら守れへん下策やと身に沁みて分かったやろ」

「全戦力の迅速かつ確実な結集。これが達成されへんことは戦力の相対的優勢を放棄し、勝利の可能性を狭めることと同義である。領土は失っても取り戻すことはできるが、人は失えば二度と生き還ることはない」

 

賀来泰明

「奥越侵攻の規模を考えれば、聖夷にも金沢の主力部隊に攻撃を仕掛ける余裕はないでしょう。しかし、開戦したことを知らない以上は、彼らは人質に取られたも同然」

「しかしすでに手は打っております。あとは彼らの働きに任せるのみです」

 

平殿継

「話が違いますやん、父上。金沢では何も起こらへんって、そう言うてはりましたやん」

「私の宿の衛兵は、私を逃がすために戦って死んだ。たまちゃんも死んだ。みんな私が信頼しとる数少ない者たちや。むっちゃ仲間がおるおまえに、何がわかんねん。殺すぞ」

「数々の非礼を詫びる。此度の一件は菅生中将の助言を無視し、金沢に軍を進めた私に全責任がある。これ以上蹉跌をきたし、後世に汚名を残すこことは私も望まへん。それに、大和に帰還して父上に問わなあかんこともある。……どうか、どうか私に力を貸してほしい」

「頼む」

 

菅生強

「私にも大切な家族がおる。先月4人目の子供も産まれた。……いざは常、常はいざなり。お互い足下すくわれんよう」

「いや、金沢には私らしか到着してへん。もしそれが聖夷の策略やとしたら」

「私を殺してその後どうする、そんな傷を負った奴が聖夷兵がぎょうさんおる、この宿屋街から一人で抜け出せると思うか?抜け出せたとして、3万あまりの大和兵は各兵舎に分散させられとる。そいつら全員をまとめ指揮し、国に戻れる自信はあるか?今、想像してええ未来が見えたなら構わず私を殺せ」

「さっきの借りを返す。聖夷の増援が来る前に、ここから脱出するで」

 

長嶺士遼

「金沢におる大和兵はわしに任せとけ。生きて大和に戻るぞ、二人とも気張れ!」

 

長尾武兎惇

「龍門は福井、菅生らはそれを知らず、長嶺は手取川を越えていない。……じゃ、菅生らをやるなら今夜しかないっすね」

「龍門らが福井に引き返した今、菅生らを留めておく理由はねえっす。逆にこれ全部菅生にバレたら俺らの命がヤバいっすよ」

「もう一度言うっすけど、菅生らやるなら今夜しか無いっすよ。……君らがこの戦でやったことって、ただただ俺を鞭打ち、ただただオールで宴会しただけっすよね?苦肉の計にしても、本命の龍門らを逃したから、成功したかって言われるとなんか微妙やし。このまま何の結果も出せなきゃ、君ら政権内で立場ないの、分かってるっすよね?」

「この夜襲では原則として、銃や火矢の使用を禁じる。敵に気づかれずに迅速に夜襲を遂行するため、そして何より無辜の民を巻き込まねえためっす。見張りを殺したのち、一斉に夜襲をかける」

「ではこれより、大和の賊どもを一掃する。全員、心してかかれ」

「(輪島総帥。報告楽しみにしててください、今夜こそ聖夷の男として、為すべきことを為しますから)」

「まさかお二人が協力するなんて、俺もさすがに予想できなかったっす。で、今のは奥さんのビンタ?より痛かったっすか?」

「悪く思わないでくださいね、こっちにも事情があります」

「輪島総帥。俺、しくじったみたいっす。嫌われちゃったなあ、俺」

 

ナレーション

「左中将長嶺士遼は、潜伏させていた部隊を率いて、聖夷兵を一掃。金沢に駐屯していた大和軍をまとめ、右中将菅生強、大司書平殿継らとともに、龍門らを助けるべく福井へ向け軍を引き返す。金沢では兵士合わせ104名が討ち死に、聖夷側も多くの主力が命を落とすこととなった。こうして長尾武兎惇が画策した金沢夜襲は、幕を閉じたのである」

 

第8話 龍虎決戦

龍門光英

「いや、決戦はせえへん」

「全軍を嶺北に集めた理由は一つ。……籠城や」

「是非に及ばへん。各隊連携し、全ての民を城内に退避させよ。それが済んだら持ち場にて任にあたる」

「私は、戦いに出ることを悔いはせん」

「真に恐れるべきは死にあらず。与えられた生を全うできへんことや」

「そうか、退いたか。そうか……余り茶に福あり、か。さて、次は君の番や。君はどう天を諭す?」

 

賀来泰明

「しからば、龍門さん。ここはかの策に賭けるべきかと」

「守山記室令はお心を決められました。一度敵将に心を惑わされたとはいえ、15年ものの間龍門さんをお支えしはった名臣です。必ずや責務を果たしてくださるかと、あとは口達者な彼に全てを賭ける。……彼が私の意図をくみ取ることができれば、此度の戦、聖夷軍を一網打尽にできましょう」

 

輪島桜虎

「私たちはこれより奥越を立ち、大和軍との決戦に臨みます。この一戦は今後数十年数百年の歴史を決める天下分け目の大合戦となるでしょう。大和人にも決して屈しない。私はそうあなたたちを信じています。だからこそ私は、あなたたちのために進み続ける!たとえどのような険しい道を進もうとも、どのような悲劇が待ち受けていようとも!私は祖や父や友がしてきたように、この血と、この汗と、この魂を、全て!この一戦に捧げることを約束します!」

「やつが生きている限り、聖夷に安泰はない。民の為、国の為、そして父の為。やつには龍らしく天に昇ってもらう」

「(橋の上で武装すらせず、一人茶をたて待ち構える。さすがは龍門光英。測り難い男だな)」

「兵法36計第32計にあたる計略、空城の計。わざと自分陣地に敵を誘いこむことで、警戒心を煽り、敵の退却を狙う。諸葛孔明や徳川家康が用いたされる奇計か」

「身のないハリボテの策略か、相打ちも覚悟の奇襲を企んでいるのか」

「弥々吉。全軍に命を伝えなさい。これより前進する」

「龍を天に送ります。道を開けなさい」

「(空城の計とは心理戦の上で成りたつ計略。あなたの心のうち。あらわにしてあげます)」

「(……あの世で、パパにお詫びを)」

「(これほどの大軍を目の前にしても、龍門の作法は一切の雑念が無く、合理的で美しい。矢に射られようと、炎に包まれようと、かくも平然と居られるのは、闇夜の中、伏兵を潜ませているから、それこそ合理!橋のたもと、山中からの奇襲、あるいはこの隙を突き、本陣奇襲も考えられる。龍門の死、手前終了が奇襲開始の合図だとすれば、今退かねば!民も国も守ることはできない!)全軍、すみやかに撤退を!」

 

閉伊弥々吉

「日本時代末期の中国史漫画、三国志を用いて言うなら、『待て、あわてるな、これは龍門の罠』と言ったところでしょうか。つまり、本当に危ぶむべきは……」

「この闇夜と広い河においてはどちらかを確かめるすべはありません。ただ一つ言えるのは、空城の計とは、窮地を逃れることを目的とした策が無い時の捨て身の策だと言うこと。あの龍門光英であっても、例外はないかと」

「一斉射撃を狙うには十分な距離です。しかし、茶人ひとり。それも大和の将軍である龍門討伐を他人に任せては、小心者だと疑われ、総帥の名望を損ねかねません。我が国は総帥の威光を持って成立しております。ここは自らの手で龍門を討ち、威光をお示しください」

 

ナレーション

「大和暦60年春。聖夷軍はせいせいし、奥越、坂井を占領。次の攻撃目標を嶺北に定め、前進した。辺境将軍龍門光英は、この未曾有の危機に、空城の計という奇策にでる。天地を味方につけ、天命を背負う龍門。その威風に動転した清夷総帥輪島桜虎は、伏兵を恐れ軍を撤退させる。かくして、福井の民は守られたのであった。だがそれも、当座のしのぎにすぎないことは分かっていた」

 

第9話 泣いて弥々吉を斬る

龍門光英

「賀来よ。総帥輪島の行者には一寸の迷いもなかった。もし手前に迷いがあれば、私は今ここにおらんやろう。賀来が私を送り出した、この事実こそが、事なきを得た要因の一つや。ほんま、おおきにやで」

 

賀来泰明

「なにゆえ、かつてこの国で暴力大革命が起こるに至ったのか、時の為政者が極端な功利主義を絶対とし、民意を軽視した政策を断行し続けた故と私は考える。君の選択は功利主義の観点でみれば正しいのかもしれへん。やけどなあ、天、地、人とあらゆる要素で形成されるこの現実に置いては、最後のギリギリまで多角的な視点で最善を考え、問題解決に尽力すべきや」

「今救うことのできる命を救う努力もせず、どないして泰平の世が訪れようか」

「(他でもない龍門さんやからこそ、かならず帰ってくると信じて送り出したんですから)

 

輪島桜虎

「弥々吉。あなたを信じることができなくて、ごめんなさい。先を見通す洞察力にかけ、奥越の大和民を虐殺した者らを士気維持のために罰せず、軍師の進言も信じられず、念願であった仇討ちもできない。私は総帥の器ではなかった」

「これが……妙案?配下に告発状を流布するよう指示したのはあなたでしょう。ふざけないで、今すぐ、私に、皆に弁解しなさい!」

「(弥々吉。こんな形であなたを、あなたの策を、私は信じたくはなかった)謀反人、閉伊弥々吉を磔刑に処す」

「(この国を、この国の民を、腐敗を極めたあの国になど、支配されてたまるものか! パパ。弥々吉。あなたたちの悲願、私が天下に示してみせます!)」

 

閉伊弥々吉

「虎ちゃん。念願であった仇討ちではなく、民や国の為に退く選択をとった者がなぜ総帥の器ではないのですか。この星に生きていれば、天命はつきもの。天の時、地の利、人の輪。これいは少々我らに運が無かっただけ。……退こうとも生きていれば、また再び突き進める。決して嘆かれますな」

「妙案があります、ここはあなたの軍師である弥々吉にお任せを」

「すでに決めたことだ。……威光を失った独裁者の末路は、歴史の知る所にある。国の指導者と国の法が軽んじられている今、最悪の事態が起きる可能性が十二分にある。私が全ての責めを負うことで、それらを打開し、全員がふたたび輪島総帥のもとで団結できるのなら、これ以上の喜悦はない」

「何も私は官を退くだけで、死ぬわけではない。民のため、国のため、後は頼んだぞ」

「何の話をされておられるのか、私には分かりかねます」

「虎ちゃん。我が身命尽きようとも、願いは死せず。この国の繁栄と民の多幸を。冥土より願っております」

「(虎ちゃん 嘆かれますな)」

 

閉伊弥輔

「(ダメなんだ、兄さん。名ばかりの将官が処分されたところで、責任転嫁だと皆に疑われ、総帥への批判が増すだけ。それでは父さんの計画が水泡に帰す。父さん、あなたのお覚悟、重々承知しました。私が必ずやあなたの願いを果たしてみせます)」

「輪島総帥。父を許してはなりません」

「父の本懐がどうであれ、聖夷国の最高指導者である輪島総帥の寝殿前にて、兵を率い、一人の命を奪ったことは紛れもない事実であり、多くの者が知るところです。九頭竜川撤退に関しても、陽が沈む前ならまだしも、夜中であれば警戒してしかるべき。それをこの国の軍師でありながら、ろくな調査もせず『空城の計に例外はない』と愚言を呈し、総帥を窮地に立たせた父は万死に値します。……目下、わが軍では父への不満が渦巻き、士気は乱れております。敵を討つには軍を正さねばなりません。軍を正すには、法を正さねばなりません。……輪島総帥、どうか謀反人である父を公開処刑とし、正道をお示しください」

「今日の決断の是非を決めるのは、のちの歴史書だ。だけど、この戦に勝利しなければ聖夷に未来はないだろう。父さんとは違う、僕は僕のやり方で輪島総帥のもと、この国を勝利に導いてみせるよ」

 

閉伊大吉

「なあ弥輔、こんなのおかしいだろ。この国に尽くしてきたあの親父がこんな形で死ぬなんてよお!正しいことなわけねえだろうがよ!」

「くそ、進むしかねえってか。俺だって、親父の死を無駄にはしねえぜ!」

 

ナレーション

「大和暦60年、3月21日。聖夷軍師閉伊弥々吉は、総帥神殿を包囲するため、数十名の聖夷兵を率いて、作戦を開始。弥々吉の乱である。寝殿を巡邏する近衛師団を1名刺殺するも、まもなく拘束され、数十名の聖夷兵は当作戦の目的が総帥暗殺であることを知り降伏。弥々吉は迅速な作戦かつ、わずか1名の死者をもって自ら無法人の汚名を被ることとなる。全て彼の筋書き通りに事が進んだのであった」

「閉伊弥々吉、享年58。しのつく雨の中、志半ば、福井に逝く」

「家族を亡くした少女と、主君を亡くした軍司は手を取り合い、大和討伐を夢みた。それから12年、苦楽を共にしてきた二人の別れが、総帥輪島桜虎を真の指導者たらしめることとなったのである」

 

第10話仇敵再会

三角青輝

「しかしながら、大臣らからの援軍要請の話はあれど、辺境将軍隊からはまだ無いはず。であれば、大和帝陛下にお取次ぎして頂くのが賢明な判断かと」

「異論はないです。前提として私がほんまに不敬罪に値するんならですが。……まず最初に申した通り、わしは辺境将軍隊監事として、ここに参ったしだい。決してわし自身のために陛下をお呼びしてくれ、などと申しておるわけではありません。そして戦争は国の命運を決する大事。その選択はくれぐれも明察せななりません。まさか守衛殿は目下の戦争に関わる急用と、一夜のおやすみ。陛下がこの2つを天秤にかけた際、後者を選択するような御方だとでも? そもそも援軍の件が陛下のお耳に入っているというのであれば、なにゆえ陛下は援軍を送ろうとなさらないのか。軍事を司る辺境将軍隊からの援軍要請こそが寛容じゃとお考えになられとるからでは?それに、送書の管轄は司宮府であり、守衛に金を渡して送書を預けるなどという話は聞いたことがねえ。仮に守衛殿に送書を預けたとしても、すでに陛下はおやすみなのであれば、送書をご覧になるのは早くて明日の朝議頃。もしその時、取り返しのつかねえ事態に発展したら、わしと守衛殿。どちらが不敬罪に値するか明白でしょう

「妻の命日から数えて本日で3年と3ヵ月にございます」

「(あの男がわしを参殿させた目的は、辺境将軍隊の思惑を知り、それを帝の目前で挫くことやろ。いかにこの状況を打開するべきか、考えろ考えろ考えろ)」

「一刻一秒を争うからこそ議論を重ね、最適解を導き出すべきかと」

「井の中の蛙、その大海を知らず。普段は井の中におる蛙がこのような場におられたとは意外でした。……普段から己が名声を高めることに、粉骨砕身しておられる方には理解できないかもしれませんが、私が高めたのは己が名声ではなく、法の権威。大臣である貴殿がその手のわけの分からん噂を鵜呑みにし、陛下の御前で意気揚々と論じられるのはいかがなものかと?それに指揮官の件に関しましても、私に大軍を率いる官位が無いことは重々承知しております。このような重要な場でそんな暴論が出ようとは、私にはいささか考えつきもしませんでした」

「ふさわしい者などおりません。私は福井に援軍を送るべきではない、と考えております」

「陛下より撤退の勅書を賜りたく!」

 

阿佐馬芳経

「(三角青輝。君如きに帝への拝謁が叶うとガチで思てんのか。バリ痛いやつや。急報によれば龍門辺境将軍は聖夷軍の坂井侵攻を受け、籠城する構えを整えてはるとか。あの人の性分からして、その目的がおそらく帝への援軍要請。せやけど帝に援軍を要請したら、十中八九あの男が出てくる。平殿器が軍権を掌握すれば、龍門辺境将軍の命が危ない。賀来軍師はこうなる前途を危惧し、事前に彼に何か策を託してしてはったんでしょうけど、これは流石に采配ミスちゃいますか。運よく拝謁できたとしても、三角青輝ごときに帝を動かすだけの力はない。今回ばかりは君の思い通りにはいかへんで)」

「(はあ?ちょお待て私。今さっき私、彼に拝謁は無理やとか言うてたやん。ほな何で私、世話になってる嬢たちの逢瀬をバラしてまで、君に言われた通りバリバリ福井へ行く支度してんねん。まさか私、彼が拝謁を成し遂げてくるとか信じてる?ちゃうちゃうちゃうちゃうねん、そんなわけあるかい。私は阿佐馬宗家の嫡子やで。芋臭い田舎モンの七三じみ男が帝に拝謁し、その上で帝を動かせるなどと信じてるわけがない。絶対に無い)」

「(まあええわ、君は私を信じ九死の任を託した。ほな私もダッサイ逆張りせんと、君を信じたるわ。私、君より大人やし、器量もあるしな、抜かりないようガッツリ支度して、君が戻ってくるのを待っといてやるからな。この私が信じてあげてんのも、賀来軍師から託された務めをちゃんと果たしてこい)

 

龍門光英

「戦局は極めて憂慮すべき状況にある。この戦を制し、太平の世に一歩近づくためには賀来、おまえがおらなあかんねん。……生きよ、生きて彼に託した策を、天下の行く末を、その目で見届けよ」

 

平殿器

「目下の戦に関わる急用で参った者を、私の名を使うて断罪しようとするとは不愉快極まりない。私をイヤな気持ちにさせた。彼の罪状は君の妻と同じや」

「臆病者の龍門に代わって、私が将軍となれば一刻も早く戦地に大援軍を送り、必ずや聖夷を滅ぼしてみせましょう」

 

輪島桜虎

「そこで奴らは知ることになるでしょう。なにより厳しい、北陸の寒さを。そして聖籠は四方を自然に囲まれた要塞地帯。その地に足を踏み入れれば、逃げ場はありません。長距離行軍で食糧は底をつき、士気も失い、身体も窮したところで反撃に転じて、大和軍を壊滅させます」

「私は以前、大和人に決して屈しないと皆に言っておきながら、曖昧な根拠に基づき、敵前撤退をしました。だが、今度こそ、私は迷わない。今度こそ私が誰よりも先にこの命を投げうち、民のため、国のため、共に突き進みましょう!」

 

第11話 薪に臥して天を諭す

三角青輝

「今一度申し上げますが、私が此度参殿したのは陛下に撤退を提案するためではなく、撤退の勅書を賜るため。そして、その目的は偽装撤退からの日本時代末期の遺産を用いた伏兵戦法によって聖夷軍を一網打尽にすることにあります」

「ただ撤退するのでは伏兵がおると敵軍に勘繰られる可能性があります。そこで勅書を発することで、聖夷軍に真の撤退だと思わせ、伏兵そして敗走を装った部隊によって、聖夷軍を三面包囲し、打ち破る戦法です。……作戦の実行場所は記室令守山金汰のおる渓地越前県織田。織田は四方を山に囲まれた盆地であり、さらに日本時代末期の動乱以降はゴーストタウン化しており、伏兵を配置するにも非常に適した地です。しかし嶺北の兵を動かせば、聖夷軍に作戦が露見する可能性がある。そこで守山記室令を護送した兵士たちを伏兵として使います。されど、護送兵の数は200人ほど。このわずかな兵数でどのようにして包囲網を構築するか。それが日本時代末期の遺産、廃車を用いた包囲網です」

「まず、撤退の勅書が到着後、龍門辺境将軍率いる部隊が敗走を装い、聖夷軍の追撃を誘発させて織田に導きます。一方、守山記室令が率いる伏兵部隊は聖夷軍の進軍予想経路側面に、大量の廃車を配備、聖夷軍が織田に足を踏み入れたら、龍門辺境将軍率いる部隊が反転して攻撃をしかけ、続けて伏兵部隊が崖上より廃車を投下して聖夷軍を攻撃。さらに退路をたてば、その言葉の意味通り、聖夷軍を一網打尽にできるでしょう」

「思いません!なぜなら援軍を出動すれば、東国武凰が参戦する可能性がおおいにあるからです」

「目下、みなさまご存知の通り、辺境将軍隊における多くの要職の者が聖夷軍からの防衛にあたっており、武凰との国境である愛知方面は手薄。つまり、この機に乗じて、武凰が参戦する可能性はおおいにあります。さらにもう一つ、初代武凰帝、凰条桃邦。初代武凰軍師、武蔵守重桜など武凰の建国に携わった者のほとんどが高齢であり、我が国を滅ぼす最後の機会だと目論んでいる可能性が高い。もし福井に援軍を出せば、愛知方面だけではなく大阪すらも手薄になり、聖夷と武凰、両面に敵を抱え、三国間の戦になる恐れがあります」

「笑止!皆様方は辺境から離れた安全な地におられるがゆえ、ことの重大性がわからず戦争をスポーツ大会や漫画の物語や何かだと思っておられるのか。三国間の戦争になれば、戦が長期化する可能性が高い。戦が長期化すれば、出費がかさむだけなく、土地は荒れ果て、農業もままならねえ、農業がままならなくなれば、食えねえ人間が増え、国内でも争いが起き、多大なる人命が失われる。皆さま方は人の命をなんだと心得る!!」

「戦争の本質とは、軍事力の正面衝突によって勝敗を決することではなく、敵国の意図を挫くことにあります。大軍を用いて、敵軍を屈服させるなど戦争において最も拙劣な手法。孫氏曰く『国を全うするを上と為し、国を破るはこれに次ぐ』。軍を全うするを上と為し、軍を破るはこれに次ぐ。戦わずして人の兵を屈するは、善の善なるものなり」

「援軍か伏兵か。大局に見てどちらが我が国に利があるか、どちらが不必要な犠牲を出さずに済むか。陛下、どうか勇気あるご決断を」

「謹んで拝命いたします」

「賀来軍師の助言である『薪に臥して天を諭すべし』。薪に臥すとは、大陸の春秋時代、一国の王が仇を忘れまいと寝床に硬い薪を敷いて寝ていたことから生まれた言葉。目的を果たすために、大和帝を説得せよ、とわしは解釈しました」

「ほんでその目的は、先に述べられてた『蛙となるは稀らなり』より。蛙は変体する生き物ですので、二つの意味があり、薪とは自動車の代替燃料を指し、臥すは伏兵を意味すると考えました」

「所詮、誰かに教わった答えでは帝を説得することなどできません。答えとは、己の手で導き出すものじゃと。おそらく賀来軍師は……」

「まじで頼りにしてます、ツネちゃんさん」

 

阿佐馬芳経

「(やば、何そのエキセントリックな助言)」

「(考えんて、普通。ヘンタイはおまえや)」

「まあ。もし間違ってても、君の正しさは私が証明する。私はすごいからなあ」

「偉大なる大和帝陛下より、龍門辺境将軍への勅命である!龍門並びに福井嶺北城におる兵士は、ただちに城を捨て撤退せよ!これを朕の、勅命とする!」

 

平殿器

「見事な策や。辺境将軍隊が事前にその謀りごとを張り巡らせたことについても、評価に値するやろう。……せやけど、たかが聖夷相手に伏兵など生ぬるいわ。肝心なのは、やつらに大和は征服できへんと分からせることや。そのためにも、援軍出動によって完膚なきまでに聖夷をつぶすべきやと思わへんか?」

「でもな、鮪。愚かであるからこそ、大きくなれえんねん」

 

豊田鮪

「実におもろい作戦かと。なによりこれを苦肉の計の疑惑段階で仕込んでたのが恐ろしい。守山のような聖夷への降伏を訴える者が現れると予測し、さらにそれを利用するとは。さすがは軍司賀来。まさしく天賦の才の持ち主です。殿さん、あの天才が生きているうちは辺境将軍隊は安泰でしょう。せやけど彼が死ねばどうなるか」

「たしかに三角は私が同席したあの頃以上に、頭は回るし、弁も立つ。されど、賢者は黙して語らず。所詮あれは愚か者に過ぎません」

 

藤3世

「(これ以上、多くの人命が失われることは朕の望むところではない)」

「勅命を下す!辺境将軍隊監事、三角青輝。撤退の勅書を龍門の元に必ず届けさせよ!」

「三角よ、進めええ!!」

 

輪島桜虎

「ここが正念場!全軍一体となり、共に突き進みましょう!」

 

第12話 聖夷滅亡

三角青輝

「大和と聖夷の歴史的背景からみても、本当の意味での友好関係を築くためには、長く険しい道のりとなるでしょう。じゃけど、その道を進むことこそが、泰平の世への真の近道であると、わしは思います。」

「(小紀。小紀がわしを信じてくれたからこそ、勇気をもって進むことができた。じゃけど、まだまだ道半ば、小紀、必ずわしはこの世を……)」

「いくら他の国と手をとりあい、平和を目指そうと。土台の腐ったこの国を変えねえと意味がねえ。誰かが、始めなければならねえ、他の人が協力的かどうかは関係ない。まず、わしが始めるべきじゃ。平殿器、いつか必ず来るその日を、待っとれ」

 

阿佐馬芳経

「すべては阿佐馬家嫡子のこの私が、殿を務めたおかげ。……いや、賀来軍師やみんなのおかげか」

「(ま、その世を実現するのは君やなく、この私やねんけどな)」

「君との約束通り、私はここからのし上がってみせる。私はすごいからなあ。……どんな場所にいようが、あきらめへんのが君という人間や。なあ三角青輝!」

 

龍門光英

「三角から作戦は聞いとるな。であれば、この作戦を知る者は私と賀来と、おまえだけや。敵を引き付け後退し、務めを果たせ!」

 

賀来泰明

「真に、真に恐れるべきは死にあらず。与えられた生をまっとうできへんことや。そうでしょう?龍門さん。」

「何年も前より登龍門について妥協すべきです、と何度も進言して参りましたが、ようやくこの席を譲るに値するもんに巡り合えたようです」

「この世で一番、私を深く理解してる龍門さんすらも欺けたとは、此度のはかりごとも、見通しが明るい」

「(この国の未来か……彼らならこの国の未来を、このニッポンを、私には叶えらへんかった。戦など無い、泰平の世を、きっと……)」

 

輪島桜虎

「つまり、平殿器は大和帝に撤退の勅書を出させ、我々だけでなく龍門らも欺こうとしていると?」

「これより、我ら本軍は日比軍に加勢し、龍門らを追撃します。……みな、私に続きなさい」

 

木浦弥輔

「それ以外考えられません。あの平殿器を差し置いて、その傀儡である帝を説得することなど、誰ができましょう」

「龍門らを金ヶ崎へ逃せば、もう二度と彼らを討つことは叶いません。ですが今追撃すれば、龍門と賀来を討ち、金ヶ崎に潜む大和軍を引き付けて冬将軍作戦に持ち込むことができます!龍門らを逃すは、民のためにあらず!ここは総帥自ら龍門を討ちとり、威光をお示しください!」

 

ナレーション

「大和暦60年春、北国聖夷が7万もの兵を投じた聖夷西征は、大和軍軍師、賀来泰明の智謀によって打ち砕かれた。1万余名の聖夷兵士、軍司令官、日比慈延。参謀、田淵博約、木浦弥輔が主君をかばい織田にて戦没。のちに、織田の廃車臥せと呼ばれる戦いである」

 


 

この記事を書いた人
組員サブロー

任侠作品が好きな、ただの一般人。
●義理人情な優しい行動をみるとよく涙を流す。
●「このサイトを通して、素敵な時間を過ごしてほしい!(╹◡╹)」「任侠作品の参考書に!」と日々更新中。時々ゲーム攻略!

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